まず、スポーツの分野は無知である、ということを前提の拙文であることを
お断りしつつ。
日本人がいつごろから、歩きながら物を食べるようになったかなあ、と
考えた、というのがカーリング女子たちの「もぐもぐタイム」がきっかけです。
この言葉に生理的嫌悪感が微弱ながらあるのと、大の大人に「もぐもぐタイム」もなかろう、
幼稚ではあるまいかと思うのです。昨今の若者の幼稚化とあいまって。
「もぐもぐタイム」はマスコミの命名ですが、確かに見ているとおおっぴらに「もぐもぐ」
と頬張っていました。
食事の席でもないのに、これ見よがしに口いっぱいに頬張って
私などは、目を背けるのですが、世の中そういう感性でもないのでしょうか。
あまり指摘する人がいないところを見ると。
それにアスリートが試合の場で、ものを食べるということに違和感があります。
たとえばサッカーなどで、選手がバナナをさりげなく口に入れる、という光景は
稀に見かけた気がしますが、堂々とこれみよがしの飲食ではありません。
カロリー補給なのでしょうが、イチゴなど食べて即カロリーになるのでしょうか。
祭りの場で、屋台のイカ焼きや焼きそばなど歩きながら頬張っても抵抗がないのは
約束事として、そこにいる全員がその行為を認めているからです。
ソフトクリームなどもまぁまぁ、もはや一つの光景として歩きながら食べることに対して
抵抗はありません。ハンバーガーまで行くと、ちょっと私はダメですが、これは
人によりけりでしょう。
あと気になったのが、日本での選手権で男子ともに実にパーフォーマンス的に
カメラの前でイチゴを食べていたことで、うがてば「韓国のイチゴは甘い」発言を
あげつらわれたことへのフォローのつもりなのでしょうか。
批判されている選手の姿が見えないところを見ると。(無知なので、たまたま外れた
だけなのか判断がつきません)
仮にそうなら、全農連に支援を受けている身でありながら「日本のイチゴは酸っぱい」と
取られかねない文脈でものを言ったことに対して「軽率でした」とさらっと
謝罪があればさらっと済んだことなのに? と思うのですが。
フォロー、ないしは言い訳としてのこれみよがしのパーフォーマンスが、美しくない、とこれも私の個人的感性です。
韓国でのカーリング娘たちの活躍も、その笑顔も、またそこまで持って言った本橋さんの
営々たる努力も素敵だと思うから、不用意発言へのけじめがなくイメージを損ねるのも
もったいないと思うのです。
国費で出ている選手が糞便由来のノロウィルスが出たばかりの外国で、なまものを
口にすることへの批判もあったようですね。
床にべったり腰を下ろしての飲食も、場違いでかつて日本人には花見や運動会など特殊な場の他、
なかったので、私などは抵抗を感じるほうなのですが、これは現代の感覚ではさして非難の対象には
ならないのかもしれません。
と思いつつも、公共の場でものを恥じらいもなく食べる、ということが従来の日本人の感性に
逆らう気がしてならず、これも許容範囲が人それぞれで、たとえば電車内での
化粧への抵抗感への有無と通じることかもしれません。
恋人同士のかなり性的ニュアンスのこもった密着ぶりにも、電車内では私などは目を背ける世代です。
そして、それは古い新しいという以前に、おおやけの場と私的場と
立て分ける「けじめ」があるのがよいのか、もうなくてもよいのか、
という議論になるのでしょう。
ボクシングやバレー、バスケットボール、野球など、激しい体力を使うのはカーリングの比ではないと思うのですが、おおっぴらに飲み食いをする姿を見かけません。
スポーツに詳しくないので、的違いのことを言っているでしょうか。
カーリング選手たちの活躍が日本人の心を明るくしたのは事実だし、その功績に対しては
謝意を評しつつ、ただ「日本人のマナー」を考えると、私はどうもひっかかるのですよ。
カーリングの場で、外国人選手が床に腰を下ろさず立ったままカメラに背を向け
さらっと飲食としている姿には、抵抗はありませんでした。「ひと目をはばかる」という
慎ましさが感じられたからでしょう。下品だとは感じませんでした。
日本橋のTOHOシネマズに出かけたら、3階のメインロビーに至る2階のロビーに
白人の若い女の子二人がリュックを枕に寝そべっていて、ギョッとしました。
日本人はまだそこまで行ってませんね。飛行機の欠航などで余儀ない場合以外は
公共の場の床に寝そべったりはしません。
他国の人は白人圏のみならず、する人たちがいますね。
ホテルのロビーの床にべったり、腰を下ろして大声で喋っていたりなど。
習慣の違いではなく、文化度のレベルでしょう。教養の範疇。
私的場と公共の場とのけじめがない人たち。
という観点から、カーリング女子たちの会場内での振る舞いに、私は首をかしげています。
おそらく世代で意見の分かれるところなのでしょう。
誤変換他、後ほど。