近々、気の張る場所に出かけるので着物を用意することにした。
出かける間際にやると、あれがない、これがない、とあたふたし、とりわけ
小物は、そこらにぽいっと置いて行方知れずのことも多いので。
そう言えば、帯に挟む銀細工の蜻蛉はどこに飛び去ったのだろう。
着物を出しながら気づいたのだが、マント、襟に蜻蛉の刺繍がある白い
長襦袢に続いて今度は、絽の羽織まで消え去っていることに気が付いた。
袖をはためかせながら、きっと宇宙のどこかに飛んで行ったのだろう。
絽は掟破りであろうが、冷暖房完備の現代、昔の約束事に
こだわることもないだろう。結局絽は見つからないので、
他の薄手の羽織にするが。
と言いつつ、着物に合う扇子も行方不明。
着物に合う羽織紐の紛失もしじゅう。
オートマティックに作動する我が家の断捨離。