さして蕎麦好きというわけでもないのですが、本日神田にある
某蕎麦の名店と言われているところへ出かけます。
店をよく知っている出版社の人などが、必ず上げるお店です。
池波正太郎さんがお通いになっていたそうで。
以前一度ちらっと覗いた時は、三時過ぎという時間帯であったのに、
押し合いへし合いの満席。予約は取らず。
今日は、待ちを覚悟です。連れもいるので、何とか。
本当は江戸随一の蕎麦ならば、陽のあるうちからまったりと
ぬる燗なんぞで過ごしたいところですが、あの混み方じゃあ、
落ち着いて座っていられないかもしれません。
今日も時間帯を外して2時を回ってから、訪れるのですが。
相変わらず市川雷蔵さんの「眠狂四郎」に浸っていて、昨夜は
DVD3枚を続けて。その後たまには他作品の雷蔵さんを、
と「桃太郎侍」を見始めたのですが、DVD4枚目にして
撃沈。眠ってました。
それにしても、雷蔵さんの顔って眠狂四郎が一番で、
桃太郎侍他の作品は、そうでもありません。
メークがいいんですね。
メーク込みでの雷蔵さん。かつて浅丘ルリ子さんが
素顔で出て、と言われ「これが素顔です」とおっしゃったのが、
ばっちりメークのあのお顔。ご立派。
しかし、市川雷蔵さんの眠狂四郎の妖艶なこと。
素顔は誰もが「銀行員」とか「市役所の職員」とか(という言い方も失礼か。
でも、私が言っているのではなく、周囲がそう言っている)
アップになるたび、ほとほと美しいなぁ・・・・と見入っているのですが、
巻末に特典として監督や、裏方さん達の談話があって、そこまで
しっかり見てしまう雷蔵フリークと化した私なのですが、
37歳で癌で夭折された、その時の様子を「水みたいな便が」とか
「血便が」とか、おっしゃるので伝説の美男スターさんなんだから、
そこは口をつぐんでおいて、と思うのですが彼らに貶める
意識は皆無、あくまで役者としての雷蔵さん評価です。
その他にも、「なで肩だった」「がに股」「骨細」「下半身が弱い」「小柄」と
活動屋の役者を見る容赦無い言い方で、さらっと皆さん
語るのですが、そういう現実を聞かされてもなお、銀幕の
雷蔵さんにはちっとも、傷になりません。語る人たちも、そこが
あるから安心して欠点をあげつらうのでしょうが。
とにかく美しい。黒い着流しの着物、純白の長襦袢。ピタッと
身体に吸い付くような着こなし。流麗な所作。そして艶のある声。
めりはりの、くっきりとした台詞回し。
ほとんど恍惚として雷蔵様ワールドに浸っていいます。
出ているものはもうほぼ見尽くしかけているのですが。
長谷川一夫さんも、頬に切りつけられた傷跡があり、手足も
短かったお方。そこを工夫して当代随一の美男役者におなりだった
わけですが、長谷川さんや雷蔵さんを拝見していると、欠点のある
人のほうが、本物の花を咲かせることが出来るのかもしれない・・・・
とそう思うのです。