未体験であった腰痛に加え、骨接ぎ医院(古い言葉しか思い出さない)にて
骨格矯正中でその反動のぐったり、プラス鼻炎に頭痛まで重なってきて、
よれよれです。
この直前に書いた原稿も、まあ酷いこと。余り不調の時に、書きものは
しなほうがよさそうです。
というわけで、「生前退位」とやら奇妙なネーミングの一件、ほぼ
俯瞰で眺めて、景色は見えて来たと思うのですが不調の時に記すと、
判断力が鈍っていて書いていいことと、よくないことの判断が狂いそうで
控えます。
安倍政権が女帝擁立のために企んだこと、などという陰謀論の可能性を
説いている人がいるそうで、腰を抜かしました。(腰痛なのに勘弁してくれ)
このたびのこと、陰謀は陰謀でも安倍政権の皇室に関する姿勢は、真逆ですよ。女性宮家設立を潰した政権です。民主党政権下で危うく、成立しそうになっていた時に政権が自民に戻り、幸いな事に女性宮家創設は阻止されました。
女性宮家設立は、いずれ女帝擁立論へと連なります。
なぜ女性ではいけないのか、という人もいますがやはり
血の正統性の確保だと思います。「紛れ込まれても」困るのです。
血筋を辿れば必ず神武天皇に辿り着く、という保証が必要なのです。
日本人というのは、天皇を源流に薄くとも、全て血を分かち合っている民族です。
マスコミはとかく王室を例に上げますが、これも狙ったミスリードと言うべきでしょう。権力闘争の末に手に入れた王位と、古代神道の土壌から半ば自然発生して、栄枯盛衰なきまま確固とした万世一系の糸を繋いできた皇室とは、その基礎で画然と異なります。
皇室はその筆頭、天皇が祭祀を司る存在です。最大の神官です。
王室と神に関与する者とは別々の領域にあります。カトリックであれば
法王が頂点としてあります。
皇室は神域に於いても、天皇が筆頭に統べる存在です。
全国約8千社ある神社の頂点に、トップの神官としておわします。
封建的前時代的なことを言うやつだと言われそうですが、皇室を成り立たせている価値観は世間一般のチープな平等論や、男女同権論を振りかざしては、そもそもその基礎が崩壊してしまうていのものです。
皇室は近代的価値観に超絶したところに存在すべきものです。
というのは、天皇陛下はいかに憲法が変わろうと、その祭祀王という
本質において神とつながる存在ゆえに、人間的価値観ではかっては
ならないものです。
人間宣言を敗戦国のエンペラーとして、させられましたが
心根が人間になってしまっては、もはや天皇たり得ません。
日本国に、そしてその民に振りかかる災厄は全て我が身を貫け、と
壮絶なアファメーションとともに自らを捨て神に祈るのが天皇というものであり、
その身を捨てた祈祷を感知するがゆえに人々は尊崇もして来ました。
祭祀が全てです。その祭祀がどうなっているのか。誰が引き継いで行われているのか、「生前退位」という奇妙な言葉だけがマスコミを踊り、肝心なことに誰も触れません。
祭祀というものを、おろそかに考えているからでしょう。宮中内の祭祀は
まじないではありません。今も、宮中の奥深く神官と巫女たちが
古式の装束のまま明け暮れ神事に身を捧げています。
その頂点におわす方、そしてそれを引き継ぐべきお方に関して
日本国民が最も心配すべきは、譲位そのことじたいではなく
祭祀は健全に機能しているか、していないかということであるべきです。
それが最も切実な問いであるはずなのに。
実務など、摂政を立てれば簡単に片付くことなのに、
「天皇陛下がご高齢で忙しすぎるので、生前退位なさって
ごゆっくり」などと、的を外した人のいい意見が多いのです。
ごゆっくりなさるのに、生前退位とやらは不必要です。
まずこのことを、クリアに心得て置かなければマスコミが
誘導する、「ゆっくりおやすみください」などという、ことの本質を
逸らすための詐術にひきずられてしまいます。
正月になれば、神社に押し寄せる民族だからまだその神性が
途絶えたわけではないと思いますが、神社の、そして神事の何かを
身をもって知悉している国民は減っているように思われます。
神道は概宗教的概念ではないのです。神事によって起こるあれこれは、実在します。
まずそれを基本で解らなければ、退位論譲位論も空転するばかりです。
不調にて、肝心のことから筆を逸らしたままですが、言外の
メッセージとして幾らかは伝わりますように。