亡き父から譲り受けた大島が、直しなしで着られる。
この間初めて袖を通した。
甥の結婚式があり、父にとっては孫に当たるので出たいだろうなあと、
大島を着て参列しようかと思ったのだが、大島はいかに高価であれ、
普段着なので式にはご法度だという。
事情を話して着て行こうかと思ったのだが、私の立場では
スピーチの機会も説明の機会もないことで断念。
普通に和服に、それから式に敬意を表して下ろしたての藤色の皮の
草履で出かけたのだが・・・・・
タクシーが不得手で電車に乗ったので、相当歩く。
新しい皮の草履は、足袋が滑ってはきづらかった。
帰りの道ではようやく慣れた。
草履の藤色は男物にはどうかと思ったのだが、店頭の照明を
浴びていた時にはつややかなパープルだったのが
暮らしの場に下ろすと、言われぬと分からぬ程度の色合い。
ところで、最近の式も披露宴も様変わりで、今校正に入っている
小説にもドラマにもわずかだが結婚式と披露宴のシーンがあるのだが、
知っていればちょっと描写が違ったかな・・・・・と思った。
考えてみれば式にも披露宴にもずいぶん、出ていない。