井沢満へのロング・インタビュー付きです。
現在は6話目を執筆中(全7話)
話の運び(シノプシス)が2話分、20分位でスラスラ浮かんだので
楽勝だと映画を見に行ったり遊んでいて、いざ書き始めたら結構難物で
考え考えの、寸刻み状態の執筆となりました。
そのうち何かで弾けたら、一気にだーっと最後まで行くのですが、
この間にちょっと気鬱なことが生じたりすると、話も人物も自分の心と共に
死んでしまうので、回復を待っての執筆となります。
ああ、「心」で書いてるんだよね、とこういう時思い知ります。
心に精彩がないと、てきめん脚本がくすみます。登場人物が元気を無くします。
そういう意味では、登場人物たちは作者の分身ですね。
今はそういう書き方をする人も僅少になったし、そういう環境でもなくなりました。
今回は俳優の皆さんとは執筆の最後のほうながら交流が取れたので、気持ちをこめやすく
なりました。会えばその俳優さんへ抱く責任感が格段に、違って来ます。
お互い人間ですもの。こちら機械ではないし。
末尾になりましたが、早坂暁さんお亡くなりになったのですね。
「遅坂さん」と呼ばれていた早坂さんのピンチヒッターを二度、務めました。
ライティングマシーンではない、本物の作家でした。
一般に知られた作品には「夢千代日記」があります。
私が好きだったのは俳人西東三鬼の俳句をモチーフにした「冬の桃」でした。
三田佳子さんも娼婦の役でご出演で、テレビにまだ芸術を志向する志が
あった頃です。
早坂先生の、ご冥福をお祈りします。
水枕ガバリと寒い海がある 三鬼
中年や遠くみのれる夜の桃 三鬼
後者は中年のエロチシズムですね。・・・・私の感性では、そう。
「あすきみ」では、「桃の秘密」というガールズバーを登場させ、登場人物たちの集う定点と
しているのですが、実のところネーミングは西東三鬼の句が放つ遠い火明かりを浴びたごとき
命名なのです。
中年が若く見える年齢にいつしか、なってしまいました。