トランプ大統領と金正恩委員長の会談の成果に、失意の声も
あるようですが、そもそもわたくしは当初よりさほどの
期待を込めてはいず斜めに見ていたこともあり、まぁまぁではなかった
かとさえ実は思っています。
半歩前進。何もないよりは、まし、程度の受け止め方です。
もとより北朝鮮の非核化宣言を信頼しているわけではありません。共同声明には
核廃絶の具体的期限もなく、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の
文言も記載されてはいないので、なおさらに。
CVIDとはジョージ・W・ブッシュ政権が、ビル・クリントン政権との差異を
際だたせるために打ち出したスローガンです。
核の「完全(CompleteまたはComprehensive=包括的)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な非核化(DenuclearizationまたはDismantlement=核の放棄)」です。
今回マイク・ポンペオ国務長官の方針通りとはならなかったわけです。
しかし、これをもって今回の会談を過小評価することもなければ、過大評価は
なおさらに見当違いでしょう。
クリントン、ジョージ・ブッシュ政権下でなし得なかった事を、トランプ大統領一代で
達成するのは至難です。
拉致問題が文言に記されてないことに失望する向きもあるかと思いますが、しかしあくまでも「米朝」会談であり「日朝」会談ではないので、その失意は筋違いでしょう。
トランプ大統領が金正恩委員長に「伝えた」というだけでも、半歩前進と捉えるべきでしょう。
目下の懸念は、日本が大枚を北朝鮮に渡しはしないかということですが、もとより払う筋合いのお金ではありません。それはわたくしとて思いますがしかし、ヤクザに道理は通じず札びらで頬を張るしかない、というのが現実なれば致し方ない側面が、政治的解決としてはあります。
避けるべきは、見返りがゼロなのにお金を渡してしまった、ということです。
近々、呉善花氏と会食なので忌憚ないご意見を伺いたいと思っています。
誤変換他、後ほど。