NHKの単発ドラマ「台所の聖女」にご出演頂き
それからしばしお付き合いがあった。
思い出すこと順不同に・・・・
ある日はがきを頂いた。
「この手の組み方は美しくないので、ご注意を」
新聞に載った私の写真の切り抜きが、貼り付けてあった。
当時、世田谷にあった私の自宅まで着物姿でご自分で運転、
送ってくださったのだが、案内もせぬのにふいに上がりこまれ、
度肝を抜かれているうちに二階の和室につかつか行かれて、室内を
見回され・・・・あれが何だったのか今もって謎だが
不動産に強い関心をお持ちだったので、点検だったのかもしれない。
不動産といえば、当事麻布の一等地にあった趣味のいい
豪邸にお招きを受け、ビデまで見せてくださり
「この家、借りてくれない?」
賃料20万だという。東京在住の人にしかわからないだろうが
都心で20万円では、しょんぼりしたマンションが借りられる程度、
要するにあり得ない破格の賃料である。
一等地麻布の豪邸に住むことを一瞬脳裏に描いたが、犬たちが健在で
家を汚すなあ、と思ったこと。それから当事私は、家と熱海にある別荘の
家二軒ぶんのローンに加え、秘書役をやってくれていた人へ給料を払っていて
20万とはいえきつきつであったこと、それにある町が私に
現地に土地付きで家をプレゼントの申し出があり家4軒は過剰であること。
(結局某町からの家の贈り物は、もらい過ぎだとご辞退したのだったが)
そんなこんなで麻布の豪邸には住まずに終わったのだった。
新たに土地を取得、そこに建てられるので麻布の家は貸したいが、
知っていて安心出来る人がいいという理由で私に声をかけてくださったらしいが、
唐突ではあった。あるいは私へのご好意からであったかもしれない。
相撲の桟敷席や、隅田川の花火の時の芸者さん付き料亭に
ご招待を頂いたこともある。ピップエレキバンの社長さん、
イチジク浣腸の社長さんと同席で、何となくおかしかったのを
覚えている。花火よりも。
電話をくださったのだが、いつもはそんなことはないのに電話で話している私に
ワンコたちが盛んに吠え立て、うるさがった希林さんが
「声が聞きづらい。もう切るわね」と切ってしまったことがある。
なぜ犬たちがあんなに吠え立てたのか、これもいまだに謎。
カラオケで一緒に「昭和枯れすすき」を歌った。
思い出せばまだあるのかもしれない。
ご冥福をお祈りします。