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Channel: 井沢満ブログ
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美輪大明神詣で

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春の芝居、秋のコンサートと美輪明宏さんから
ご招待を頂き、ここ数年、春秋に年二度まるで
お彼岸のお参りよろしくうかがっています。
「美輪大明神詣で」と申し上げたら
笑っていらっしゃいましたが。

霊力はまざまざと拝見しているので、あながち
「詣で」もジョークではありません。霊感健在なのも、
ある一件で仰天したことがあります。

焚きしめられたお香が、劇場前にも
香っていて、開幕前から美輪ワールドが
始まっています。

いつものようにチケットは早々と完売で、劇場は相変わらず満席でした。

今回は「明日の君・・・」のPDと友人を伴って
出かけました。三田佳子さんもお誘いしたのですが、
銀座6と、明治座での稽古が入っていて
ムリとのことでした。
「それにしても見透かされそうで、こわいわ」とおっしゃるので
「いえ、普段はそのてのスイッチはオフなさってるので、
大丈夫」とお答えしたのですが、私も初期は
緊張していました。今も思わぬ時に
人には見せないように用心している一側面を、淡々と指摘され絶句する
こともありますが、この方に付け焼き刃で表を飾っても無益と
悟ってからは、「はい、この程度の私です」と肩の力を抜いているので
楽です。物事によっては随分手厳しいお言葉を頂くことも
稀にあるのですが「はい、そのとおりです」と素直に
頷ける内容なので、腹も立たずむしろ自分の至らなさが
小気味よく袈裟懸けにされ、快感でさえあります。

高齢でいらっしゃるので、いつまで拝見できるか・・・・
と危惧しつつ出かけるのですが、楽屋で
お目にかかった時もお元気で、
「お若くなられましたね、なにか怪しげな薬でも
おやりですか」と冗談を言ったくらいでした。

それでも、「黒蜥蜴」や「双頭の鷲」などの名舞台は
体力を使われるので永遠に封印です。
しかし脳裏に情景は焼付き、せりふ回しも脳裏に
刻印されています。

来年春は、寺山修司さんが美輪さんに書き下ろした
「毛皮のマリー」上演だそうで、春は芝居、秋は音楽の
このサイクルが、いつか絶えるであろうと思えば
さみしいことです。しかし別れはこの人生の
必然なので、淡々とその時はお見送りしようと、思ってはいますが。
私のほうが先かもしれないのだし。

近年の津川雅彦さん、樹木希林さんをはじめ仕事であるいは
私的にもお付き合いのあった役者さんたちを
随分見送って来ました。いずれ自分が見送られる番です。
自ら命を絶たれた方がお二人。

出会いの場は命と命のスパークです。その一瞬一瞬を噛み締めようと
思っています。

「一期一会」という使い古された言葉が、年年歳歳
実感を持って胸に迫ります。

何に対してであれ、執着は一つずつ手放しつつ軽々とこの世を離れたいと
願っていますが、人を喪う悲しみ痛みからはまだ離れきれないで
います。思い出す都度、心の中でご供養はしているのですが
私の胸のうちの霊璽簿は、お名前が増える一方です。

末尾の蛇足ですが、政治的信条を理由に美輪さんとの交流を不思議に
思われる方もいらっしゃるようですが、お付き合いに私は
政治は持ち込みません。人として信頼できるかどうかが価値観で
いかに政治的立場が同じでも、人品卑しげであるとして(傲慢ですが)
敬遠することもあります。
皆さんほぼ同様であろうかと思うのですが、そうでない
人もいるのかも知れませんね。

誤変換他、後ほど。

 


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