「どうしても触れたくない」という映画で、もともとヘテロセクシュアルであった
男が、ふとした瞬間同性の若者に惹かれていくという、相当難しげな
演技をさらっと普通にこなしていた俳優さんが面白くて、
その名を谷口賢志さんだと知ってからさして、まだ間がない。
その谷口さんが出ていらっしゃる舞台に来ないかと、お誘い頂き、
どうも場違いのようなのでご辞退しようとして、しかし考えなおしたのは
場違いの場こそ、物書きとしては出て行って体感したほうがよろしい、
と。
行ってみたら本当に場違いで、芝居は「乙女ゲーム」からモチーフを取った
作品だとかで、会場は乙女のてんこ盛り。
brothers conflict(兄弟の戦い)というタイトルで略称がブラステ。アニメやらゲームやらメディアミックスの作品で、イケメンの兄弟12人にプラスまだ幼い弟という現実にはあり得ない、仮想ご一家。ファンはそれぞれの俳優さんたちについているか、ゲーム自体の
ファンだと聞いた。
乙女たちの熱気に触れて、物書きとしては収穫だった。なるほど、こんなんか、と。
谷口さんのファンミにもどうぞと言われたが、うーん‥‥‥・そこまで頑張れるかな?
あらゆるファンミというものに出たことがないので、好奇心はうずくのであるが。
13人ものキャラを良く書き分けるなあ、とWikiの解説を見たのだが、
職業、性格、趣味までマニャックなまでの細分化で読む気が失せた。
現代は、それぞれの領域で細分化、マニャックというのが特徴のようで、
昔は音楽も流行れば国民全員がそれを知っていた。
今はどのジャンルも細分化され、お互いがお互いを知らない。
終演後、谷口賢志さんとは初対面ご挨拶。マネージャーさんが2ショットで写真を撮ってくださって送って頂いたが、身長差があり過ぎて私はブサメン・ミニ豚である。
そう年若い友人に言ったら、「モデル出身の、イケメン俳優さんと比べること自体が間違いです」
そら、そうだ。玉砕。