JOCの竹田恒和会長がフランスで賄賂の嫌疑をかけられていて、
これはゴーン氏の一件への意趣返しではなかろうかという
説があり、時期からしてその疑いは濃厚にあるものの、
しかしフランス政府は英海軍の「モントローズ」と共に、
韓国と北朝鮮の瀬取り監視に、洋上哨戒機と軍艦を派遣する。
加えて、仏海軍の空母「シャルル・ド・ゴール」と海上自衛隊との
インド洋での共同訓練予定を見れば、そう単純に意趣返しとも
断定は出来かねる。無論「それはそれとして」の仏の出方である
可能性が消えるわけではない。
いずれにしても「仕返し」かどうかは、論議しても結論は出ぬので
無駄。
それよりも竹田氏の行ったことが賄賂に相当するかどうかということで、
肝心の論議がなおざりにフランスに懸けられた嫌疑のみが漠然と言い立てられている。
単純な感想で述べるなら、たかがコンサルティングに2億3千万円の謝金とは、
いったいどんな「相談」なのか、そこが肝心なのにそれも
突き詰めては追求されない。
受け取った側もどうやらクリーンな相手でもなさそうな。
要は、「IOCに顔の効く連中への根回し料金」なのであろうが、
となれば賄賂に限りなく近い。
五輪誘致にいかがわしい金が動くこと、以前から知られていたことであり、
名古屋に決まりかけていた五輪が土壇場で平昌にさらって行かれたことなど、
賄賂は韓国のお家芸。鄭 夢準(チョン・モンジュン)氏が、堂々と
広言しているほどである、それもむしろ誇らしげに。
鄭 夢準氏は、韓国現代財閥を築いた鄭周永氏の六男で現代重工業の大株主である。
大韓サッカー協会名誉会長であり、FIFA名誉副会長でもある。
金に転んだ審判がいかに韓国有利に不正を行ったか、サッカーファンなら
知悉しているであろう。
韓国が行えば賄賂で、日本が行ったら賄賂ではないという
論理はない。
ありていに申せば、国際レベルというよりは五輪界隈では
当たり前のことで賄賂ではない、という言い方と共に、
しかし法的に追求するなら賄賂である、というのが実相ではないのか。
五輪招致時の日本の情勢では、放射能、地震他フェアに判断されるなら
日本に利点は皆無だった。しかも死者が想定される
酷暑の時期での開催である。初っ端から不正の臭いは
漂っていた。
竹田氏のわずか7分間の会見も質問抜きで、内容がないのも
いぶかしい。竹田氏にしてみれば「五輪界隈」で常識の範疇の
ことを行っただけだという意識であろうから、漠然とした
自己弁護をするしかないのであろうが、しかし質疑の場を
設けぬのは会見には値しない。
「フランス当局が捜査中であるから」を理由としているが、
それなら個々質問を受けた上で、答えられない部分に関しては
発言を控え、答えられる質問には応じればいいだけのことではないか。
おのが言動に疚しさ一点もなく、誠実に応えようとするならば。
要するに実態は賄賂(に近い)のではないのか。それを五輪の腐敗体質の中で
許容範囲とするか、法的に追求するかだけの話ではないのか。
五輪の持つ利権体質がとにかく嫌いで、その腐臭にわたくしが
過敏で、それゆえ厳しすぎる意見であろうか。