東京は雪だとされ、積雪が報じられたが雨である。
空気入れ替えのために開け放った窓から、路上を走る
車の音が湿っていて、まだ降っているらしい。
今日は浅草の天丼専門店のことを書こうと思っていたのだが、
アジアカップ決勝戦が今日だと思えば、心が逸る。
そういう時に、相手のカタールのエースを含む2選手が代表資格を
満たしてないという報道がUAEメディアによって報道され
物議をかもしているようだ。
資格無しの根拠は、国際サッカー連盟(FIFA)規則の第7条。
「18歳になった後、関係する協会の域内で少なくとも連続5年間にわたって
暮らした選手」に代表選手の資格が与えられるという項目だという。
2選手がこの条件を満たしていない。
私には不案内の領域で解らぬがしかし、カタール側は浴びせられる
記者団からの質問にまともに答えていないことから、あるいは
事実か、とも思う。
曰く、
「我々は明日の試合だけにフォーカスしていて関与していない」
「これまでと同じように取り組んで、最後まで戦って優勝を目指すだけだ」
別報道では、「我々はもう1日ここにいる。明日の試合だけに集中している。サッカーの観点と関係のない他のものは、現時点で我々の心にない」
疑義には向き合わず、逃げているのではないか。
あるいはご批判を受けるかもしれないが、日本人選手だけでなるチームが
清々しく感じる。海外では屈強を外国人から選抜しての寄せ集めチームが
多いのではないか。
日本の清々しさは選手個々も同様で、たとえばキャプテンの吉田麻也選手。
カタールとUAEの泥仕合は観客席でもそうであり、相手国歌に対しての
ブーイング。カタールが得点すれば、スタンドからはペットボトルやサンダルが投げ込まれる。日本では考えられないことであろう。
国交のない両国間の泥仕合を背景に戦うことについて、キャプテン
吉田麻也の英語によるスピーチが見事だった。
ピッチ外の騒動に関しては「それはAFCがコントロールすべきことだと思う。我々のコントロール外にある」
「我々がすべきことは自分たちにフォーカスすること」
「自分たちをコントロールするにはメンタルが重要で、特にアジアではそう。審判のジャッジも日本のスタイル、欧州のスタイルと異なるが、我々は大会を通して適応し、ここまでの6試合はうまくプレーできている」
「もし明日の試合が世界中に放送されるなら、僕はそうした愚かなことは見たくない。我々はアジアを代表しているし、『Bringing Asia Together』というハッシュタグの下でプレーしている。アジアのすべての選手が良いサッカーを見せることが重要だと思う」
「明日もフェアプレーでカタールと戦うことを楽しみにしている」
「(試合後に)何人かがホテルのエレベーターでイランのチームと会ったとき、彼らは試合の最後のことを謝ってきた。それがスポーツマンシップ、フェアプレーだと思う」
「明日も両チームが100%の努力をして、フェアプレーで戦うことを期待している。良い試合を世界中に見せたいし、それが日本だけでなく、アジアのサッカーにとって次のステップになると思う」
・・・・惚れた。完膚なきまでに見事な答である。しかも英語で。日本語すらおぼつかない日本の政治家のコメント、わけても岩屋毅外相とつい余計な比較をしてしまうのだが、それにしても英語が達者なアスリートが多いことに驚かされる。
羽生結弦くんもそうだが、錦織選手、ゴルフの・・・・名前が出て来ない。他にも複数。しかも、外見さえ美しい。天は二物を与える。
今日の決勝戦に日本が勝って欲しいと素朴に思うが、
自国贔屓からのみではなく、フェアプレーの侍魂が、
ダーティさに打ち克つところを世界に見せて欲しいと思うのだ。
頑張れ、日本。
余談だが、森保一監督が敗者であったヴェトナムの監督に、
両手を握りしめ慎ましく腰をかがめている画像がヴェトナムで
称賛されている。
これぞ、ニッポンと。
写真が素敵だったので探しているのだが、見つからない。
・・・・・あった。
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-2956.html
移動便では20席しかない良席を選手に譲り、自らは若手と
一緒にエコノミー席だったということも伝え聞く。
選手と共に監督も誇らしい。穏やかないい顔をなさっている。
頑張れ、日本。
と心から声援を送る。