宝塚歌劇は、政府方針を踏まえ、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月29日(土)から3月8日(日)までの公演を中止すると発表したが、政府方針がなければ、黙って公演を強行していたのだろうか。
事実昨日10日には、貸し切りを含めて東京で2回公演を行った。2500席としてのべ5千人超がびっしりとした人混みの中にいたことになる。
宝塚劇場のトイレは女性客が多いことから、女性トイレは押し合いへし合いの密閉空間である。
劇場前のサーモグラフィの設置で安全が担保されるわけでないことは周知の通りである。
宝塚歌劇は日常を離れ”夢夢しい”華麗なショーであり、楽しい。だからファンの気持ちは理解できるが、このたびのことは、劇場側の姿勢を含め押し寄せるファンも、宝塚歌劇への印象を著しく損ねてはいないだろうか。
相撲さえ無観客、幼い子供たちさえ含めて国民がじっと辛抱をしている時に、いささか身勝手、無責任ではあるまいか。何千人規模のイベントに行きたいなら、無理して自制することはない、という誤ったメッセージ拡散の担い手の一人になったことをもファンの人たちには自覚していただきたい。もし感染源になったとしたら、反社会的行為への加担者になりかねないのだ。
ネットでは「犯罪行為」とまで糾弾されながら、テレビで批判されないことにも劇場とファンの緩みとおごりの一因があるのかもしれない。
テレビは阪急阪神東宝グループに忖度があるのかもしれない。全国区で報道されなくても国民の目は厳しく冷ややかになりつつあることは心得ておいたほうがいい。宝塚という美しい夢を軽挙盲動で汚さないほうがいい。感染源となれば宝塚の歴史にも傷をつける。規模の大きさから危険度はライブハウスの比ではない。心を痛めている、人としてまっとうな知性と感性を持ったファンもいる。