この季節、着物の選択に迷う。袷は暑すぎるし、おまけに天気予報が雨70%と
こんな日は。それに傘は携帯にすべきか、和傘風の本格的なのを
持っていくべきか。雪駄は雨天用の爪先に覆いのあるのにすべきか。
結局、一重の着物に、透け感のある帯、濡れても足袋まで来ぬように
下駄を履いて、バッグに携帯傘を放り込み、向かった先は両国。
かつて、樹木希林さんに升席にご招待頂いたことなど、思い出しながら
国技館通りを劇場に向かった。
演目は、「四谷怪談」でお目当ては谷口賢志さんである。
「四谷怪談」と言ってもそこに「忠臣蔵」と、現代の実際にあった
監禁事件をからめ、錯綜した構成で最初付いて行くのが難儀だったが
だんだん舞台は熱を帯び、後半は盛り上がった。
役者さんたちが、初々しく、真摯に演じていて芝居の原点みたいな
息吹を感じ、刺激を頂いた。
終演後、谷口賢志さんとお茶の約束だったが、同行の「わが家」のPD、竹園さんが
他に約束がおありだとかで、楽屋で谷口さんを紹介させて頂いて
私も、帰ることにした。竹園さんはお茶の時間も予定してくださっていたのだが
芝居が予想外の3時間強、に加えて演出兼作家の方、そして俳優さんたちの
挨拶・・・・と随分長丁場になり、お茶の時間が取れなくなったのだ。
結局、雨は降らずさわやかな風に吹かれながら竹園さんと途中まで
一緒に帰った。
今日の着物はこれ。
色がなかなか、正確に出ないが実物はもっと、銀っぽい灰色。
羽織は単純な水色。
帯は透け感のある、シャリシャリした感触の。
帽子がこれ。