文章をアップするタイミングが遅れてしまい、安保法制案が可決され、お間抜けなことになってしまいましたが・・・・・・
安保法制案については、むろんメリット・デメリット双方の側面があるのですが、反対デモの人たちのどのくらいの人たちが、法案の中身を精査しているのかな・・・・・とふと思うのは、シュプレヒコールで反対と叫ぶ大声だけが耳に届き、「何がいかなる理由で、よくないのか」「では、どうすべきなのか」が聞こえて来ないのです。
むろん、安保法制案にデメリットはあるのでそこをついて反対するのはよいのですが、俯瞰でメリット・デメリットを見ないと、正確な論は導き出せないと思います。
メリット・デメリットを貸借対照表的に見比べて、総合点でどちらがより日本を守れるのか、という判断が求められるのではないでしょうか。
60年安保は、私は無関心にやり過ごしてしまったので偉そうな事は言えないのですが、しかしながらあの当時の闘士で現在も言論界で活躍していらっしゃる方の告白によると「法案なんか中身は読んでもいなかった」そうで、これもどうかと思われますね。
結局、今の数倍の反対運動を受けながら、安保って日本を守るのに必要だったのではないですか?
九条が日本を守るのか、アメリカの軍事力と核の傘プラスのおかげなのか。
そこが意見の分かれ目でしょうが。
早い話が、単独的自衛権ならスイスのように国民皆兵制にして、家にも武器を備えるまでやらないと、国は守れないですね。単独自衛には徴兵制が付きものです。更に日本がアメリカを切り捨てて、単独で自衛するなら防衛費が現在の5倍だったか、それを良しと国民がするのか。九条に侵略抑止の力があるなら、日本国憲法(実はGHQ憲法だと私は思っていますが)が交付されてから69年。
どの国も、一カ国たりと日本の平和憲法にならおうとする国がないのは、なぜでしょうか。紙に書きつけた文言に戦争を止める力がないと、思われているからではないのでしょうか。九条で平和が守れるのなら、年々増大する軍事費を他に回すほうがいいに決まっています。自らが戦争を放棄したら、どこも攻めて来ないというのは幻想です。私とて、安保法案に危険性がゼロでないことは承知しているので、余り声高に主張するのを控えていたのですが、メリット・デメリットを頭の中で左右において、点検してみると今のところメリットのほうが大きいと私は思っています。更に勉強してみますが。
殺し殺されを、やりたいと思っている人はいません。誰しも平和がいいのは、当然です。
現行の安保だけで十分という意見もあるかとは思いますが、一方的にアメリカにばかり体を張ることを押し付けていると、いつか関係性が疲弊してしまうかもしれません。
基地提供と思いやり予算だけでは、限りがあります。
日本が一国で防衛を担うなら、もっと国力と国費を割かねば成り立ちません。
対中国を考えれば、人口、経済力、軍事力。日本単独では不可能です。
結局のところ、こと防衛に関してはアメリカとはいい関係なのでしょう。
アメリカの言いなり、と悔しがる人がいますが、言いなりになることが日本のためでもある場合は、無問題でしょう。
「アメリカの戦争に巻き込まれる」可能性は皆無ではないでしょう。
但し、日本に行使義務が発生するのは、米国が自国領土の攻撃を受けた場合だけでしょう。
「9.11」同時多発テロ後のイラク戦争は「報復」なので、日本は「過剰防衛だ」と判断、断る自由はあるとする論者もいます。
アフガニスタンでは米国に協力したドイツも、イラクには大量破壊兵器の存在根拠が曖昧だと判断、派兵していません。
現行法では、防衛出動には国会の承認が必要です。
PKO(国連平和維持活動)や多国籍軍への派兵はどうかという疑問がありますが、それは集団安全保障という別の枠組みで考えるべきことでしょう。
条約というのは、本来双方向であるべきですね。アメリカの戦争に巻き込まれたくない、と日本が頑なに言い続ければ、尖閣を中国に占拠されても、アメリカの援軍は望めません。アメリカにとって、尖閣は日中韓の領土紛争でしかないからです。
国家対国家も人との間の関係性と同じで、私はあなたが強盗に入られても救けないが、あなたは救けなさい。そのためにお金も渡しているし、土地も使わせているでしょ、というのは、そういつまでも通る関係ではありません。
今のところ、尖閣はアメリカも守ると言ってくれているようですが。
安保法案に対して、諾否どちらと断言せぬまま、このようなことを書き続けているのは、法案の中身を精査せぬまま気分で反対している人も多いように見受けるからです。
どうぞ、法案をじっくり読んで再度考えてみてください、と。
少なくとも福島みずほ氏が言い始めて定着した「戦争法案」というのは、実態の伴わないレッテル貼りです。日本に今更、侵略する意図などありません。具体的にどこでしょうか。誰もの脳裏を横切るであろう国々は、侵略してわがものとしても、厄介を背負い込むだけでしょう。
徴兵制もありません。
韓国が、法案には警戒してピリピリしていますが、いささか勘違いしているのではなかろうかと思うのですが・・・・このような報道がありました。
韓国外務省報道官いわく、「われわれの領域内での自衛隊の活動については、韓国の要請または同意が必要だ」と重ねて強調し、「韓米日の実務レベルの協議体を通じても、こうした立場で対応していく」。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150917-00000073-jij-kr
頼まれても行かねーわ、というのが大方の日本人の感情的反応ではなかろうかと思います。杞憂ですね。
言われなくても、同意がないところに、日本が救けに行ったりしません。
むしろ「断られたほうが楽」です。
条約は、日米間だけのものではありません。韓国、台湾、フィリピン、と極東の平和と安全にも責任を負っているのは、ご存知でしたか?
朝鮮半島が攻撃を受ければ、日本は救けざるを得ないのです。条約で。
但し、それは米国軍隊に日本の領土を基地として提供するという形での救けです。当たり前のように米軍は日本の基地を使っていますが、朝鮮半島有事に日本が協力したくないと思えば、日本の基地から飛び立つことを断る選択肢はあります。
ただ、朝鮮半島の危機が日本の危機に直結するので、断るという選択肢はほぼないかもしれません。だが、そういうことを韓国高官の前で言った、日本の関係者はいますね。救けないという選択肢もあるのだ、と。あちらは、青くなったそうですが。
日韓併合も植民地にしたかったわけではなく、ロシアに取られて居座られることへの危機感からでした。韓国から合邦を求める声もあり、国際法を守った上での併合だったので、違法性はありません。
おそらく、日本ほど国際法を順守して来た国はなかろうと思うのですが、それでも叩かれます。叩く国は常に少数、決まっているわけですが。
いささか皮肉をこめて、戦争反対を叫ぶ人たちに問いたいのですが、中国の軍事パレードや南沙の基地建設になぜ、黙っているのでしょう。韓国による竹島の不法占拠にも、無言です。彼らにとっての平和とは、いったいどの国の平和のことであろうかと、時々いぶかしく思われます。