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Channel: 井沢満ブログ
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長襦袢を見せられる間柄

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弟が、都の傘下の中小企業支援の何かの理事をやっているので、たまに食事の待ち合わせなどで職場を訪れるのですが、ロビーにこんなジオラマが置いてありました。

 

 

こうしてみると、日本の江戸時代のきめ細やかな独特の文化が解ります。エコの先進国でもありました。

人形一体に7万円かかるそうで、一体ずつぼちぼ増やしているのだそうです。

食事には、弟が赤ちゃんの時から同じ赤ちゃん仲間として育った弟の友人も加わり、私も彼のことはよく知っています。おむつ時代からの友人というのは、羨ましい気がします。弟が何か仕事上のことで世話してあげたそうで、弟の名刺を示したら、この方に直接たどり着くのは大変ですよ、と言われたとかでしきりに感心しているので、私も少し感心してあげました。弟が何をしているのか、よく解っていません。紹介記事など送ってくるのですが、何が書かれてあるのか経済用語ばかりで、何も解りません。

石原慎太郎さんの秘書をやっている間はシンプルに立場は解っていましたが、その実何をしていたのか、ちっとも解りません。
三田佳子さんが都民栄誉賞を受けられた時、花束贈呈役で都庁に出かけその時の知事であった鈴木さんに「あなたが、有森冴子を書いているの?」と訊かれたのですが、初対面の人に結構馴染みづらいと言おうか、そういう世渡りをして来ていないので、「ええ」とだけしか応えず、鈴木さんも無愛想なやつだと思われたかもしれません。今にして思うと会話の接穂を探しながら話しかけていらした表情だったのに、失礼なことをしました。

いわゆる社会経験をさほど積まぬまま、脚本家としてわがままが通る世界で生きて来たので、どこか社交の常識が欠落しているなあ、と今頃やっと気づいているようなしだいです。

それはともかく弟と共に出かけた店で「ぬる燗」という言葉が通じるかな、と言ってみたら「はいっ」と若い店員さん。

「あ、通じたねー」と弟と言っていたら来たのが常温。

体温より、ちょっと高めにしてね、と言葉を添えて無事、ぬる燗が来たのでした。

その店員、後でわざわざテーブルに来て、「さっきの、温度でよかったでしょうか?」

と爽やかな笑顔で聞きに来てくれて、やっぱり日本人だなあ、と嬉しくなったのでした。

それでも、お燗を電子レンジではなく湯につけてやってくれる店ももうなくなったのでしょうか。大阪ではちろりに入れてまだやってくれると弟の話で、さすが食にうるさい街です。

ちろりももう通じないかな?

http://kakaku.com/search_results/%82%BF%82%EB%82%E8/?category=0030_0001_0007

今夜は、そのはるかな昔弟の結婚式に出てくれた内館牧子と、のど黒を食べさせる店で食事です。最初からぬる燗といわず、体温よりちょっと高めで、と言うことにします。ここでも、通じなかったので。

私のことを「まんちゃん」と呼ぶのは、美輪明宏さんはじめ、内館牧子他もう2、3名になってしまい寂しいことです。

今夜は黒檀色で裏地に、細かい白い雪が散っているのを来て、その下は緋色の長襦袢に白の皮草履と決めています。足袋が難しいかもしれません。
黒ではないし・・・・白か柄足袋か。扇子はどうしよう‥‥・・と考えています。緋色の扇子があれば面白いのに、残念ながら持っていません。

 

和服が黒檀一色なので扇子とか根付とかで、ちょっと色をささないとつまらないかもしれません。

「色をさす」は通じますか? 色を差す、点すと書きます。色彩を添えることです。

長襦袢にしろ裏地にしろ、視えないところが華やかなのが日本的で気に入っています。もっとも内舘には絶対、「ほら、こんなの」と裏地と長襦袢をめくって見せると思いますが。
美輪さんのコンサートにはせっかく古代紫の着物に鮮やかな紫の長襦袢を着たのに、そういえばめくってお見せするのを忘れてました。見せるものでないのは承知ですが。ー笑ー

来年初頭、三田佳子さんとあるイベントにゲスト出演してお会いするのですが、三田さんにも着物はめくって見せられます。そういう基準で人間関係を見ると、「まんちゃん」呼称とともに親しさのバロメーターになるようです。

お燗といえば、自分の復習のためにももう一度温度による呼称を掲げておきます。

 

■冷や

みぞれ酒         0度
雪冷え(ゆきひえ)    5度
花冷え(はなひえ)   10度
涼冷え(すずひえ)   15度
 
■燗

日向燗(ひなたかん)  30度
人肌燗(ひとはだかん) 35度
ぬる燗         40度
上燗(じょうかん)   45度
熱燗(あつかん)    50度
飛び切り燗(飛び切りかん)55度以上

5度ごとに呼称が変わる日本語の繊細な豊穣さを、失いたくないと思います。
色彩の微妙なグラデーションの移り変わりで名称が変わる、「四十八茶百鼠」と同じ豊かさですね。


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