逝去されたと聞いて、92歳というお年をうかがえば驚くほどの
ことでもないのだろうが、ご縁の深い方であったので
感慨がある。
作品ではたくさん、お付き合い頂いたし、私は新しい作品を書くと加藤さんに電話を差し上げ、脚本の一節を電話口で読み上げていた時期があった、すると「あら、いいわねぇ」と必ず褒めてくださるのだった。
初めて作品をご一緒させていただいたのは、私の実質的デビュー作である
「みちしるべ」という作品で、鈴木清順監督に役者として出て頂いた。
加藤治子さんの発案である。
ロケ地であった別府の宿屋で、3人で飲みお酒がなくなって、どうやって
調達したのか、もう一本を手に入れ夜が更けるまで談笑が続いた。
お宅に伺ったこともあるし、拙宅にお越しいただいたこともある。
思い出はたくさんある。樹木希林さんと、3人で大相撲見物に出かけたこともある。
「どっちも勝てー。負けるなー」
と無茶な声援をしていたのが、治子さんだった。
加藤治子さん、ありがとうございました。
感謝しています。