本に書かれてあることが事実なら、議員バッジを外すとまで安倍総理に
言わせた本、蓮池透氏の著書は、最初、あまりにも直接的プロパガンダめく書名に、選挙を睨んで出された安倍追い落とし本かと、脳裏をかすめたぐらいだった。
いわく「『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』
野党の安倍批判にも使われた。
本を私は読んでいないが、報道によれば、「あえて強調したい。安倍、中山(恭子、拉致被害者・家族担当、内閣官房参与)両氏は、弟たちを一度たりとも止めようとしなかった。止めたのは私なのだ」と書いてあるそうで、しかし私は中山氏の拉致問題をテーマになさったお話を聞きに出掛けまだ間もないのだが、蓮池氏のおっしゃることと内容が違う。
あの品の良い穏やかな中山氏が、嘘をあれほど熱を込めて真摯に語られるだろうか? ボランティアに近いであろう、ごく少人数の会にわざわざ虚偽をお話しにいらっしゃるだろうか? いったい、何のために?
とこんなことを書くと、蓮池氏が嘘を書いていると言わんばかりに聞こえるのは当たり前で困惑するのだが、私はそれを断言するほどの知識も根拠も持たない。
あるいは、両者の言い分の中間に真実はあるのだろうかと思いを巡らせるのだが、それも解らない。
ただ一点、ひっかかるのが、蓮池透氏が辻元清美のパーティに
田原総一朗、鳥越俊太郎氏らと出席、ご挨拶なさっていらっしゃるほど
仲間めいて見える点である。
しかしだからといって、どうということも言えないのだがアンチ安倍の
グループではあろう。
日韓外相談話以来、主にネットの保守層だと思うが安倍憎しに
走っていることと重ねて、状況としてはあまり良くないように思う。
保守分断の状況ではないか。
むろん良くないというのは、安倍内閣が出来るだけ長く続いて欲しいと
思う側であって、SEALDsの連中と一緒になって「戦争法案」と
安保法制案を言っているような人たちにとっては追い風ではあろう。
日韓外相談話で安倍内閣に激怒している人たちも、しかし
だからといって、他の党や人物に票が行けばいいとまでは
思っていないだろう。思っているのだろうか。そこが
解らない。
安倍総理に代わる、これぞと思う人物や党がある、ということは
さっぱり聞こえて来ないのだ。ただただ、安倍憎しと思う
本来保守の人たちと、アンチ自民の大人たちとが
団子になって、安倍内閣の足を引っ張っているように見える。
安倍憎しを旗印に、呉越同舟状態。本来の敵味方が
同じ船に乗りあわせている按配。
といって、船の中で和気あいあいとは行かず睨み合いながら、船の舳先は
全く違う方向に向いている、という・・・・
だったら、選挙前の保守は安倍憎しの鉾をいったん収めて、
選挙が済むまでならぬ堪忍するが堪忍が大人の
態度であろうと思うのだが。
岸田外相と、佐藤地ユネスコ大使の大失策の源にはむろん、
安倍総理がいて、私は目から火を噴くほどにも怒ったのだが、
しかし慰安婦に関する談話には、われながら意外なほど、
冷静であった。
日本が置かれた諸事情を思えば、つまり韓国に譲歩した形で
収めざるを得ない米国の圧力を思えば、100点はあげられないが、80点はあげてもいいくらい。にっちもさっちもいかない、両手両足
縛られた中では、安倍総理はよくやられた・・・・と思う。
むろん、そういう背景を考慮しなければ、とんでもない内容ではある。
百も承知。
濡れ衣を認めさせられた屈辱談話ではある。
しかし、韓国の甘言に乗ってうかうかと出した河野談話の存在、
そしてアメリカ(と戦勝国連合こと国際連合)から敗戦国日本に
突きつけられた拒否できない談話であったなら、あれで
ほぼ精一杯、他の党や人物ならもっと酷い、二度と立ち上がれぬ
談話を出されている。
安倍総理は第一次内閣の時に、河野談話白紙撤回に向けて動かれたと
漏れ聞いているが挫折なさっている。おそらくはアメリカと党内部某勢力の圧殺であろうと踏んでいる。しかし、河野談話は閣議決定はされていない。(異説はあるが、これでよろしいと思う)
永遠に固定されるべきものではない。
今回強制性の文言は入れ込まず、ぎりぎりのところで踏みとどまった。
また日本の法的責任についても触れていないのが上出来である。
それゆえ今後、まだ真実の発信はできる余地がある。
河野談話にはあった強制性は決然と(という表現でよろしいと思う)
外してある。強制性が言われてないということは、あの談話は単に
「売買春という女性の人権を損なうことを軍関与でしたことへの、反省」でしかないのだ。
そんなもの、日本だけがやっていたわけではない。
「軍関与」も現地民間人により、かどわかしや悪質ブローカー摘発を
含めてのことであり、強制性がない以上「少女狩りをやって性奴隷にした」という
事実はなかったことになる。
売春に軍が関わっててごめんなさいねー、という談話である。
だから法的責任も認めていない。
その一方韓国をあの談話で囲い込んだことにより、慰安婦という
無限の外交カードからその無限性が抜け、有限カードになった。
だから韓国が発火している。
韓国はもはや慰安婦で日本を撃てば、談話違反で海外に恥を
さらすが、慰安婦の実態を日本が追求発信して行くぶんには
差し障りない。
完璧と言うには程遠い解決法ではあったけれど、韓国が
国家としては完璧に猿ぐつわをはめさせられたのに対して、
日本には真実を語り続ける口が残された、とそういうことである。
不本意は百も承知。しかし日本は忘れてはいけない、敗戦国
なのである。敗戦よりまだ一世紀も経っていはしない。
敗戦国という理不尽な不名誉から立ち直るには、100年が必要と
いうのを聞いたが、私はそれはまだ生易しいと思う。
そうやすやすと、追い風が吹いて来はしない。しかし
永遠に逆風というわけでもない。
各国の口封じをしたことで、慰安婦は時さえ気長に待てば、いつしか風化する。
日本は永遠に、真実を語り続ければいいのである。不公平談話を余儀なくされた、その背景さえも語れるのだ。
海外、とりわけアメリカの日本人の子供たちが受けている慰安婦ゆえの
いじめは、民間が何とかする以外にない。迂遠だが、慰安婦の真実を
語り続けるしかないのではないか。安倍さんを今、外したらそれすら
やりづらくなるかもしれない。
政府は、ディスカウントジャパンの動きを牽制するためのお金を、
民間の組織に渡してやらせて欲しい。韓国がそうしているように。
国費規模のお金を使わねば、韓国が国費を出費しての
日本貶め運動に対抗出来るものか。
ある種の歴史に対しては、悠久の視線を持って泰然と構えなければ
短慮の火病を発して、日本の守り神を撃ち落とす如きことを
やりかねない。
外相談話ごとき(敢えて)で、自民党へ行く票を
減少させて、憲法改正から自ら遠ざける道を選ぶのも
賢明ではなかろう。「戦争法案」と実態とは異なる名称を
かぶせて安倍落としをやっている若者たちと、大人が同じレベルに
なって、どうする。
むろん、九条信奉者さんたちにとって、現在は順風である。
それでよしと思う人は、笑顔で結果を待てば良い。
私は本来の保守(であったはず)の人に向けて語っている。
とりあえず調査では内閣の支持率はそんなに悪くもない。
しかし大勝させねば、憲法改正は遠く、自民と公明の本来は
あり得ない、不自然な相乗りも解消せぬ。
こちらこそが、元祖呉越同舟なのである。
だが不気味なのは、18歳からの選挙権により、「安保法制案=戦争法案}
「恋人を戦地には送らない」などと、甘いフレーズになんとなく
流されかねない青少年たちなのだ。数がどのくらいいるか
知らないのだが、新しい勢力として台頭する。
団塊の世代よりは、ネットで情報を得る分マシな気は
するが。と、いやみで本日の稿の筆を擱く。
https://twitter.com/Che_SYoung
以下慰安婦問題についての韓国歴代大統領の言葉
朴正熙:完全かつ最終的な解決
金泳三:慰安婦の賠償は求めない
金大中:日本は謝罪した。私が謝罪を受けた
盧武鉉:任期中に過去史の話はしない
李明博:日本に謝罪は求めない
朴槿恵:最終的な解決
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また蒸し返す。・・・・と思うが、今回は米国の意志が働いた、その上で「立ち会い」のもとでの合意であり、今までのようには行きづらいだろう。