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昼酒持ち越して夜酒へ

村川絵梨ちゃんの芝居を観に出かけた新国立劇場で
ぱったり南果歩さんに遭遇「次の芝居に私も出るんで、
いらしてください」とおっしゃったので、
気にはかけていたのですが、一日延ばししているうち
「わが家」他でお世話になっている制作会社のプロデューさんが
チケットを確保してくださって、出掛けたのが昨日。

とここで、告白せねばならないのですが、村川絵梨ちゃんに
「芝居観に行く」と約束してから、その芝居が在日作家さんの
芝居であることを知り、実は内心困惑したのです。
(行きたくない、観たくない)が本音、でも約束だから・・・・

在日劇団の反日プロパガンダ芝居のことが脳裏にありました。
未成年少女の性奴隷狩りなど嘘八百の韓国慰安婦映画に協力している
劇団があることも知っていたし。

ところが、村川絵梨ちゃんの出た芝居は私の懸念を吹っ飛ばす
出来で、何より「人間」を描いているので、人物が在日であるという
以前に人間としてきちっと描かれているので、共感も寄せやすいのです。
「同じ人間だよね」と素直にいえます。
政治外交の場では、言いづらい言葉ですが。(絵梨ちゃんの役は
日本人設定でした)

南果歩さんが出られた芝居も、同じ在日作家さんの
三部作のうちの一本でしたが、
脚本、演出、美術、役者の力量、トップクラスで、うなりました。

日本に無理やり連れてこられて、ひどい差別を受けたのと、
紋切り型のプロパガンダではなく、熊本の炭鉱町で働く
男たちの愛や苦悩を、同じエリアで対等に暮らす日本人たちと
共に描いている視点が良かったと思います。
在日を描くと、とかく日本が悪くて在日はその被害者だという
視点で描きがちですが、この作品はただ人間を深く見つめ続けて
いて、深刻な話を笑いでくるみながら娯楽として提示できているのが
何よりでした。

*鄭義信三部作 舞台「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」

村川絵梨ちゃんは、「たとえば野に咲く花のように」南果歩さんは「パーマ屋すみれ」に出演です。

日本の演劇史に残る作品の一つであろうと思われます。

・・・・・当日は、仕立ておろしの木綿の着物を着るつもりで
出してあったのですが、もはや夏の陽気。急遽、
越後上布の薄物に切り替えました。

楽屋を訪れた私に、果歩さんは小さなお香をくださいました。

お芝居が午後1時終演、終演は4時を過ぎていて
蕎麦屋で軽くいっぱいどうですか・・・・とプロデューサー氏に
誘って頂いたので、お言葉に甘えぬる燗3合を板わさで
呑み、締めにざる蕎麦すすったらもうはや、6時過ぎ。
プロデユーサー氏を別れてから、ふらふらと宵闇迫る
近くの繁華街飲み屋さんに。

のんべでもなければ、好きでもないのに、いったん体内に
アルコールが貯まると、たがが外れるのか延々と飲み続けます。
その日はとりわけ、上質の芝居への酩酊もあったので
心地よかったのです。

店3軒はしごして、千鳥足で帰宅したのでした。


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