この間、はまぐり鍋の店で供されたトンカツと海老フライが絶品だったので、
食べに行こうと電話したら、予約取れず。
頭はトンカツになっているのに、他のトンカツ屋に行きたいとは
思わないのです。たぶんごま油で揚げたとおぼしき、焦げ茶の
小さなトンカツが食べたいのです。
しかし、行けない、食べられない。
それで、なぜかステーキに頭が切り替わり、ところが
これといったステーキハウスを思い出しません。
そこで頭に浮かんだのが、その日の昼間テレビで紹介していた「ビリーザキッズ」という名のステーキ屋。
テレビを何となく見ていたら、倉田てつをさんのステーキハウスを坂上忍さんが
訪れ、語っているところが映っていたのです。
へぇ、倉田さんがこんな店やってるんだ・・・・
倉田てつをさんは、仮面ライダーBLACK(RX)の南光太郎役で出てきた人で、私は平成何年度かの朝のテレビ小説「君の名は」でお付き合いがあります。
その後、NHKのトーク番組に高田延彦さんや誰それさんたちと出た時、
ゲストで来てくれたのが倉田てつをさんで、それ以来延々会っていません。
そうだ、倉田さんのお店に行こうと、検索をかけたら東陽町と、
土地鑑の全くないところ。さなきだに、方向音痴の私は大丈夫かと
不安でしたが、「ビリーザキッズ」という店名が大変美味しそうです。
http://billytoyocho.web.fc2.com/
タクシーが苦手なので、大抵電車に乗るのですが生憎、都心から下町への電車はラッシュアワー。
降りられなかったら、終点近くまで行ってそこから折り返すしかないな、と
覚悟をつけていたのですが、なんとか人混みをかきわけ降車。
東陽町より、木場駅が便利というので木場で下車。
「洋服の青山」と「オリジン弁当」と2ポイントをそれぞれ、道行く人に
聞きつつ5分ほど歩いたら、難なく「ビリーザキッズ」に到着。
店構えがカントリーアメリカンふうで、気分が盛り上がります。
店内に足を踏み入れたら、倉田てつをさんがエプロンで給仕をしています。
「倉田くん?」と声をかけたら、きょとんとしています。
「脚本家の井沢満です」と言ったら、「あらぁ、先生!」と
駆け寄っていらしたのが、お母様です。
「今日昼間テレビで見たもんで、寄らせて頂きました」
しかし、それにしても倉田てつをさん本人は無表情です。
それが不審で、立ち働く顔をちらちら見ていたら若い。異常に若い。
わ、弟さんか! それにしても、似ている、顔も体つきも。
と、私はここでまだ勘違いをしているのですが。
ステーキは分厚いタイプではなく、レアが苦手な私の好きな
薄手のステーキで、熱が通りしかし柔らかく幅広。それをガーリック醤油で
食べるという、私の好みにストライクでした。といって
レアで注文はもちろん出来て、レアにも耐え得る肉質だと思います。
すると、厨房から美貌の青年が現れ私の席に来て、
横に座りました。スペインとフィリピンの混血のような
エキゾチックで華やかな顔立ちです。
弟ふたり揃って美形です。
「お父さんがよっぽど、美貌なんだね」
と言うと、妙な顔をしています。
ここで、やっと自分のとんでもない思い込みに気づいたのですが、ふたりとも
倉田さんの息子さんなのでした。
・・・・・・それにしても、次男を倉田さんと間違え、さらに
弟と勘違いするとは。
倉田さんに関しては朝ドラで、私の時間が止まってしまっているのです。
自分の加齢すら忘れて暮らしているのに、人の加齢はなおさらに。
長男さんは倉田さんのデビューと同じ年令で22歳だそうです。
ということは、次男さんは二十歳前後? それを現在
50歳前後だと思われる倉田さんと間違えるか?
時間の感覚が、大幅にズレているのでした。
倉田さん本人は、開けたての頃はいたそうですが夜は不在。
店にはちょくちょく出ているようで、電話すればいる日は
判るそうです。
役者をやっているという長男くんとラインの交換をしたのですが、
帰宅したら、お父さんの倉田てつおさんからお礼のラインが入ってました。
また食べに出かけようと思います。
女子もグループで訪れています。美男ウェイターの給仕でどうぞ。
次男くんも役者志望だそうです。