昨夜は、また知人がカウンターに臨時で入っているゴールデン街の
酒場に行きました。
映画を見がてら、私の署名本が欲しいという酒場の奇特な
お客さん3人がいらしたので、預けに行ったのです。
「わが家」の小説版ですが、作品の中に出てくるゴールデン街の
将棋指しが集まる酒場、とはこの店のことです。
将棋だから一歩は「いちふ」ですが、向井理さん演じる役名の
一歩は「いっぽ」です。
平成元年度の朝のテレビ小説「青春家族」を書いた時、所ジョージさんの
やった役につけた名前なのですが、気に入っているのでこれまで
計三度使っています。
「夏休みのサンタさん」というドラマにも、一歩は登場します。
酒場に本を届けて向かったのは東宝シネマ新宿です。妻夫木聡さんと綾野剛さんが、濃厚なキスシーンを演じるということで話題になっていた、「怒り」という映画を観てきました。
妻夫木聡さんと、宮崎あおいさんの演技に凄みがありました。天才ですね。
綾野剛さんは、見せ場のこれといってない淡々とした演技で
一番難しいのですが、よくやっていたと思います。
映画自体はDVDで見てもよかったかなぁ、という感想ですが、
物語の構造が勉強になりました。
実際の殺人事件の犯人をモチーフにしているのですが、
沖縄、千葉、東京と物語は3つの舞台に分けられていて、
そこに出てくる人物の一人ひとりが、犯人かもしれない・・・・
と観客には思わせながら、3つの物語が同時進行して行って、
最後に犯人が分かったところで、物語のテーマ
「人を信じることの困難さ」が浮かび上がってくるという趣向です。
救いがないという意見を見ましたが、そんなことはありません。
ちゃんとラストに沖縄編で、救いの用意はあります。
私はDVDで見れば十分、という意見ですがただ、賞はひょっとしたら
獲るかなあ、とは思います。とりわけ海外では、受けがいいかもしれません。
残りの人生は映画館と劇場でほぼ費やそうと思い始めています。
そして、あとは書くことに時間を使います。
余った時間で、政治を学びわずかながら関わろうか、というのが
あらましの、プランです。