渓谷を歩きたく、山梨にやって来ました。
最初は、また断食道場にこもろうと思っていたのですが、
もう断食は指導者がいなくてもやれるので、それなら快適なホテルで日常の暮らしを切り離し瞑想を兼ねてホテルに3泊、そこを拠点に緑の中を歩こうと思い立ったのでした。
昨日朝早い電車で山梨市駅に着き、以前航空学園の名誉理事を務めていたころ来たきりで勝手がわからずうろうろしたのですが荷物をコインロッカーに預けたところで、ちょうど平沢渓谷行きのバスが来て飛び乗り、揺られること1時間で渓谷。
最初は舗装された道路に気が抜けて、こんなものかとたかをくくったのが大間違い。いずれ土道になり、それどころか岩場。岩に打ち込まれた鎖にすがりながらの歩行となり、腐葉土と化した落ち葉に足元を取られながら予想もしていなかった険路。トレッキングシューズだけは、履いていたもののショルダーバッグの軽装で、片手には命綱のペットボトルを持っているので両手を使えず難儀しました。
岩から絶えず滴り落ちる水に濡れた石に足を滑らせれば、滝つぼに真っ逆さま。エメラルドグリーンの水を美しいと思うより先に恐怖心。ビルの谷間でやわに暮らしている身には、思いもかけない難行の連続。
引き返そうにも、やれまたあの吊橋を渡るのかと思えば高所恐怖症の私は足がすくみ、とにかく前に進むしかない、と。
周路4時間と聞いていて、疲れたら引き返せばいいやと気軽に考えていたのですが、こうなりゃ4時間歩くしかないと腹を決めたのでしたが、森閑と人の気配も絶え、行き止まりに見える難所に遭遇するたび肝が冷えました。携帯はむろん圏外。ここで足をくじいたり、濡れて滑りやすい石に足を取られ転んで頭を打ったりなどしたら、死んでも怪我をしても人様に迷惑。救急隊だって、こんな隘路の岩場を人ひとり運ぶのは不可能。
そんな折に、後続の人が現れ道を譲ると彼らは無造作に行き止まりに見えた岩場を渡ります。とにかく行き止まりではなかったことに安堵しつつ、片手で鎖につかまりながら、おぼつかない牛歩です。
トレッキングポールを手に、リュックを背負った登山靴の慣れた人たちからしたら、よれよれのお笑い登山者です。結局、5時間歩きよじ登ったのですが土曜日の会食の翌日は食を抜いていたので、一日半の断食状態にしては案外もちました。
ホテルに無事たどり着いても、さしたる空腹を感じず自販機で果汁100パーセントのふじりんごのジュースと、持ってきた酵素ペーストをわずかに舐めただけで体力温存。それに加えて持参の塩を微量に摂取。塩分を欠くとてきめん、へたるのです。
ほうほうのていで辿り着いたホテルの温泉のぬくもりに、いかほどほっとしたか。ウィークデーの大浴場はほぼ独り占め。
山並みと空を眺めながら、湯に身を沈めているのは至福。サウナに入り、冷水を浴びて心身蘇りました。
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