コメント欄に、
「昔、高校の国語の先生が、森鴎外の舞姫の授業の時、「英語やったらダンシングガールって表現しかないけど、舞姫ってきれいな表現やろ?」って言われたのを思い出します。
と、頂いて確かに「舞姫」がダンサーじゃあ色気もアヤもないよなあ。
では「伊豆の踊子」はどう訳されているかと調べてみたら、予期したとおり
The Izu Dancer。身も蓋もありません。
三島の「金閣寺」は、The Temple of the Golden Pavilion。
「金閣寺」という漢字ですでに、輝く仏閣が構築されていると思いませんか?
「金」が左右対称なのも、視覚的効果に寄与しています。
英訳本を読んだ欧米人がそれでも、さぞ原語である日本語が美しいのだろうと感嘆していたのだから、どれだけ三島文学の言葉が美を孕(はら)んでいるか解りますね。
幼少期から歌舞伎を見て育っているので、三島さんの言葉は音感にも優れていて、昨今この音感が秀でた作家を田辺聖子さんを最後に知りません。
音声で表現されるドラマのセリフからも、聴覚の敏感な作家がいなくなりつつあります。セリフも一つのリズムであり、メロディなのですが。
言葉が難しいとされる三島文学を私は高校2年で読みこなしていて、それは
ささやかな誇りですが、けれど英語訳の金閣寺は5ページ目で挫折したのが
19歳の頃。癇癪を起こして雨の路上へ叩きつけたことを思い出しました。
酔っ払っていたこともあり。(あ、未成年、バレた)
コメント欄に岡田茉莉子さんと吉田喜重さんの話も出ていましたが
私が生まれて初めて現実に目にした銀幕のスターが岡田茉莉子さんで、
私は小学生? 中学生だったか・・・・目をはじかれるような美しさで、
くらくらしたことを、いまでも覚えています。
後年、夫君である吉田喜重さんが私の書いたドラマを芸術祭の
審査員として熱く推してくださって、受賞に至りました。
誤変換他、後ほど推敲いたします。