アメリカ大使館邸に行ったことがあります。
アーミン・マイヤー駐日アメリカ合衆国大使 の時代だから、大昔のこと。
門には立派な門松が飾られ、そこで皇后陛下のご母堂でいらっしゃる正田冨美さんを
お見かけしたのでした。今思えば遠慮せずお話させていただいていたら、相当強い思い出に
なったろうと思われます。色んな意味で。
大使夫人から私はこんな質問を受けました。
「玄関の門松はいつ片付ければよろしいの」と。
松の内に該当する英語を私は思いつかず、単に「通常は、7日まで飾っておきます」
と答えたのでした。
関西では15日までのところもある、ということは当時の私は知りませんでした。
もう大昔のことで時効でしょうから・・・・大使夫人は暮に松下幸之助さんから
来たというお歳暮について、私に愚痴ったのです。
「あんな大リッチマンが、バンブーの根っこなんかよこしたのよ」と。
私は、そこでいやそれが日本の風情と慎み、「粋」というものなのだ、と説明できるほどの
英語力もなく、何か半端な返しをしたように思います。
おそらく、タケノコもそこらのものではなくたとえば京都のどこそこの、という
たぐいのものであったのでしょう。
大使館邸では別の日、私は好奇心で庭園に出たのです。夜でした。
明かりが少なく、暗かったのを覚えています。
すると人影があり、いきなり走り始めました。横顔を見ると、アーミン・マイヤー大使です。
暗いところに人影(私)がいきなり現れたので暴漢かと思い、逃げられたのでしょう。
「大使!」と呼びかけ、慌てた私が何をその時拙い英語で言ったのかは忘れましたが、
大使は照れくさそうに、走るのを止めたのでしたが大使館邸周辺には機動隊がいて、
大変だなぁ、と思ったのでした。
松の内で、そんな昔のことを思い出しました。
安倍総理の母方祖父でいらっしゃる岸信介さんをお見かけしたのも大使館邸です。
コーヒーの角砂糖を、トングを使わず指でつまんで入れていらっしゃったのが印象に残っています。
岸信介という政治家に関し私に知識があれば、そういう細かい仕草も分析の役立つのかも
しれませんが、あいにく不勉強です。
誤変換他、後ほど。