漫画家のカトリーヌあやこさんの、週刊朝日におけるドラマ評に大笑いしたので・・・・
https://dot.asahi.com/wa/2018021500010.html?page=1
漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、市原隼人主演ドラマ「明日の君がもっと好き」(テレビ朝日系 土曜23:05~)をウォッチした。
【「明日の君がもっと好き」のイラストはこちら】
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「ブラジルのリオで蝶が羽ばたきをすると、それが東京に伝わり嵐を起こすというカオス理論がある」。と、いわゆる「バタフライエフェクト」的なセリフが出て来る本作。確かに青い蝶がたびたび現れる。羽ばたく。風が吹く。社長秘書・茜(伊藤歩)のスカートがめくれる。それ「バタフライエフェクト」じゃなくて、ラッキースケベでは?
とにかくこのドラマ、登場人物もストーリーもただごとじゃない。茜の妹・梓(志田未来)は姉の恋人を奪い結婚。茜のスカートがめくれるのをいつも目撃する植木職人・亮(市原隼人)。彼と兄妹のように育った香(森川葵)は自らのセクシャリティーに悩み、一人称「僕」。冷え切った結婚生活に悩む梓と出会い、キスを交わす。それを知った梓の夫・智弘(渡辺大)は妻を問いただしながら、カーセックスで燃え上がる(竹林じゃないよ)。
もう設定盛り込みすぎで、見てるこっちが胸やけするのもおかまいなし。なんせ脚本・井沢満なのだ。以前の作品「同窓会」(93年、日テレ系)はフタを開ければ、テーマは「同性愛」。TOKIOの山口達也が売り専ボーイになったり、毛ジラミに感染した斉藤由貴が股間を掻いたりと、今思えばよく放送できたよね!という問題作。ツッコミ待ちでネタをぶっこむ近頃のドラマとはケタ違い、あくまでもガチなとんでもっぷりにしびれる。
今回、特にやばいのは茜の会社の後輩・城崎(白洲迅)だ。今は亡き母親に虐待されたトラウマから、熟女を誘惑してはののしる。「女もババァになると深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)が劣化して、ケツが垂れるんだよ。顔はエステで金かけて頑張っても、ケツが干し柿じゃさ!」。干し柿も衝撃的だが、生まれて初めて聞いた深層外旋六筋! こんな専門的かつゲスい言葉責めをした直後に、ポエムを語りだす城崎。
「ママ、僕はロンドンの濃い霧の中にあなたを見失い、あなたを追いかけながら永遠に追いつけないメリーゴーラウンドに乗っている」
お前、いつロンドンにいたんだよと、すっかり視聴者の脳内も五里霧中。そして茜と亮が夜更けの街を歩けば、この世のものとは思えない巨大な満月。井沢脚本が羽ばたくと、スカートがめくれ、ポエムを口ばしり、月が巨大化する。バタフライよりも恐ろしいのだ、「井沢満エフェクト」。
※週刊朝日 2018年2月23日号
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ここ数年、コツコツと書いてきて芸術祭はじめ国内外で賞を得てきた「文芸もの」にはシーンと静かだったのに・・・・単発だったということもあるのだろうが・・・・・「もう一面の私」で書くと、とたんにこれだ。
周囲がザワザワ。嬉しくなっちまう。
もう一つ、これもたぶん週刊誌で1ページだかとって、こちらも大きなイラスト付きで評が掲載され、悪口雑言で余りの罵りのテンションの高さに、私自身は何を言われているのか咀嚼できぬまま・・・・????が
脳内蝶々になって飛び交ったのだが・・・・?????
評者の方の悪口筋のツボにはまったのだろう。
テレビは何より無視がこわく、悪評も賑わいのうち、突っ込みは人気のうちで、めでたい・・・・。
「お行儀の悪いほうの私」をずーっと封印して来たので、開放できて気分が良い。
あたしゃ、もともと不良だもん。優等生じゃないもん。・・・・・ま、双方なんだけど。
双方の振り幅が私だ。
作品として頂いた賞は、もはや途中から数えてもいないけど、国内外に相当数あり・・・・このまま書き続けたら現役作家では最多記録をいずれ作りそうな・・・・・って誰もそんなもの興味もなかろうけれど。
ただ、そういう形で評価される作品だけだと、私自身が息苦しくなるので、たまにお転婆やらせていただきたく、各位。
・・・・・・・・しかし、実は文芸作品より、お転婆作品のほうが腕が要り難しい。プロなら思い知っているだろうことだけど、一般には言わずもがなか。
誤変換他、後ほど。