5月間近の東京の空が晴れ渡った今日、皇居は東御苑内の楽部庁舎を訪れました。
この間皇居にうかがって、どうもまた来るような気がしていたのですが、
存外早い、再訪でした。
宮内庁楽部による春季雅楽演奏会です。
楽器と言えば、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)しか浮かばぬほど無知なのですが、日本古来の楽器である神楽笛・和琴なども入っているようで、他には管楽器が箏(そう)・琵琶(びわ),打楽器が鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)・三の鼓(つづみ)。
平安のみやびで、のどかな日々が楽のゆったりした音色につれ、眼前にたゆたいます。
仏教文化の渡来と軌を一に、古代アジアや中国、朝鮮半島から伝来した音楽と舞人の融合ですが、
10世紀になると日本独自の芸術に止揚(アウフヘーベン)され、こういう外来を自家薬籠中の
ものとして、従来の和との渾然たる編み上げ方が、日本の個性というべきでしょう。
刮目すべきは衣装で、襲衣(かさねぎ)の、何という色彩豊かな感性。
歌舞伎もそうですが、日本人は本来けざやかな色彩を男も着こなして
来たのですが、いつから黒やグレーが主体になって来たのか。
紫、金、紅・・・・とこういう色彩を平安時代に使いこなし、また染料もあったのですね。
驚いたことには、私が同伴の人たちに「この席がいいですよ」とお勧めして
収まった席が、4年ぶりにお出ましになられるという両陛下の通り道。
ご入場とご退場、共に目の先50センチほどの距離をゆっくりっこちらにお顔を向けながら歩かれ、
これは意想外の出来事でした。
思えば、昭和天皇皇后両陛下の行幸啓に、少年時代にたまたま遭遇、それから遥か後に
映画の試写会で招待者席で、秋篠宮両殿下が近くをお通りになられ、思わぬ
お会釈をたまわったことがあります。皇后陛下のご母堂を至近でお見かけしたことも。
アメリカ大使館のパーティでした。さてもう半世紀近くも前のことになりますか。
雅楽の音色はゆったりと流れますが、時の足取りのなんと速いこと。
誤変換、他 後ほど