歴史政治の項目に入れるより、むしろ「食」カテゴリーでしょうが・・・
呉善花さんと会食しました。
新宿住友ビル52階の「瀬里奈」です。しゃぶしゃぶと、毛蟹のコースです。
呉善花さんをお食事にお誘いしたのは、事情を知悉した方に朝鮮半島情勢をうかがいたかったからです。半島情勢と共に日本文化に通暁していることも、大事な要素です。
呉さんは、元韓国籍で日本に帰化なさってから20年経過しています。
元々は自ら軍隊を志願して入られるほど愛国心の強いお方ですが、
日本にいやいやいらして、余儀なく滞在、その間に祖国の真の姿が
見えてきて、韓国批判に転じて祖国からは疎まれている存在です。
そういう強靭な意志を帯びた方なので、たとえば私が今回のトランプ大統領と
金正恩委員長との会談について所見を述べても、それが未熟だと思えば
「そんな単純なものではありません」とビシリと打ってくる厳しさが
おありです。二度やられました。
もとより、私的な場でのご発言なので公開は控え気味にしますが、差し障りないで
あろうと思われるくだり、四点を綴ってみます。
多分余り知られていない逸話かもしれず面白かったのは、トランプ大統領が金正恩委員長にヴィデオを見せた、というくだり。
資本主義社会の夜の街のネオンのきらめき他、豊かな国の暮らしはこんなだよ、と
煽った、というのです。
それと、ソウル特別市の地下に、北により爆発物が膨大に埋め込まれていて、スイッチひとつで爆発、過去「ソウルは火の海になる」と言ったのは、そういう意味なのだそうです。
同席の呉善花さんのフリピン人の秘書ポールさんが、日本語がまだ不自由なので
日本語と英語が混在する会話であり、たとえばその爆発物の撤収、無効化が
なぜ出来ぬのか、など私の拙い英語力ではツッコミも叶わず、ただ何らかの
理由で無効化不能な膨大な爆発物を、ソウル市は24時間地下に抱え込んでいるわけです。それらにいっせい点火されれば、原爆の比ではなく文字通りソウルが火の海になるのだとか。
文在寅大統領の最終的な狙いは南北統一だろうが、そうすると南北の経済格差が混乱を来さないか、という私の質問に対しては「まず、統一の前にやろうとしているのは連合国の形成です。北の体制はそのままに」というお答えでした。
あと、これは目覚ましい解釈だなと思ったのは、北朝鮮という国では金正恩氏に至る歴代の指導者が「宗教」だというのです。なるほど、と得心したのです。
仮に金正恩委員長に、たとえば資本社会における莫大な富と高い地位を約束しても、
「教祖」としての権力は手放さないであろう、とこれは私がそう解釈して述べたのですが。神として崇められることの恍惚と不安。
北朝鮮における放送の、委員長美化、その言動の謳い上げ、まずいものは覆い隠し、ひたすら神格化するあの熱狂的くちぶりは、新興宗教における教祖持ち上げの信者専用プロパガンダビデオそのままです。
呉善花さんからは、3月に出版された著書を頂き、タイムリーな内容でした。
誤変換他、後ほど。