奥山和由さんから、たぶんご自分の松竹時代に手がけられた
作品だろうと思うが「女殺し油の地獄」を観て欲しい、
藤谷美和子さんが絶品だから、と言われ・・・・
VHSを取り寄せたのだが、さあ機器の扱いが解らない。
何かで観ることもあるだろうと、VHSを観るための機器は
以前から備えているのだが、使ったことがない。
YouTubeでも、レンタル料を出せば観られるようだが、パソコンでさえ
いまだ、見よう見まねレベルで、YouTubeの登録の仕方も
使い方も解らない、というていたらく。
「女殺し油の地獄」は近松門左衛門の作品で、五社英雄監督。
あの厳しい奥山さんが手放しに絶賛なさるからには、ひょっとして藤谷さん、
最後の輝きを見せた作品かと思えば
なおさらに早く観たいのだが、VHSのカセットを入れた機器がピクとも動かぬ。
藤谷さんも五社さんも、ちらっとお目にかかった方たちではある。
観て早く、奥山さんに感想をお伝えしたいのだけれど。
それにしても、サンセット大通りから始まって、スターの凋落の
物語ばかりを潜在意識が追っている気がする。
栄光の頂点から墜落する人たちを身近に、いくたりかまざまざと見てきたけれど。
人もさることながら、我が身とて絶頂期にあった頃の自分と
現在を比べれば、落差の激しさにしばし呆然としていた時期もあった。
満潮がサーッと退いて行くのである。
イタリアで浴びたフラッシュの嵐と人々の歓声で、つかの間頂点にあった時代を
思い出したけれど。
裏方の私ですらそうなのだから、まして表で眩しい照明を、それも
若くして浴びていた人たちが、照明がある日
ふっとかき消え、目の前に広がる暗がりに愕然とするさま、いかばかりだろう。
でもそれでも、彼らは凡人が生涯味わえない頂点の恍惚を味わったのだ。
それはそれで、面白い人生だったんじゃないか。と、死の間際に
思えたらいいのだけど。私は脚本家がまだラマの中心にいた時代に
最盛期だったので、現在の脚本家の
人たちが経験していない華やかさを、味あわせてもらった。
光多ければ、訪れ来る闇もまた濃いのだ。それも人生の妙味だろう。
誤変換他、後ほど。