時ならぬ暑さにうだったかと思うと、今日は一転、冷たい
雨が東京の街を濡らしている。
システィナ劇場での私の原作によるミュージカル「ジョージィ!」を
観にローマを訪れてから、もう1年以上も経ったのかと、
歳月の足取りの速さに驚いていた矢先、プロデューサーの
クラウディオから私の日本における代理店を通じて、劇中の歌を
日本語と英語バージョンで作りたいがどうか、と言ってきて
英語版の歌のサンプル音源が添えてあった。
英語版の作成意図はほぼ解かるが、日本語のそれがいかなる目的なのか
問い合わせているところだ。拙作はひところ、コミックとして
欧州数カ国と中東の一部に広まったが、英語圏は未開拓領域なので、
英語バージョンの歌が、英語圏への進出のきっかけになれば楽しいことだ。
それにしてもクラウディオの作品に対する熱意と根気には目を見張るものがあり、上演のつど、脚本を少しずつ変え演出も進化させている。上演の
つど磨きをかけて行けば、完成により近づく。映像ではない、
舞台の面白さだ。
日本でコミック化された時の最終回が原作者としては納得出来ず、ずっと
気がかりだったので、今回コミックでは描ききれないでいた箇所の
ラフな説明をクラウディオに代理店を通じて送ってもらった。
ヒロインと最初の恋人との再会シーンは、会話のし上がり具合では
それぞれの青春期へのオマージュをこめて、哀切ないいシーンになるので参考までに、ということで。
場合によっては、私がその箇所をセリフで新たに書き起こし、
その英訳をローマに送ってもらってもいいと思っている。