朝日新聞が、また妙なことを社説に掲げているようなので軽く反駁しておきたい。踏み込むと時間がかかり過ぎ、政治専門ブログでもないのに膨大になるので、軽く。
>高市総務相が、17日からの例大祭にあわせ靖国神社に参拝する意向を示している。
だが、高市さん、ここは自重すべきではないか。
>そもそも、首相をはじめ政治指導者は、A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社に参拝すべきではない。政教分離の原則に反するとの指摘もある。
慰安婦問題の時もそうだったが、素人でさえとっくに自明であることを
ことさら、間違った認識であげつらうのはいかなる精神風土であるのだろう。
A級B級C級というのは戦勝国が勝手に分類した(中には捏造もある)戦争犯罪の「種類」に過ぎず、Aだけがことごとしく最悪だというわけではなく、Aで処刑を
免れた方もいらっしゃれば、Bで処刑された方もいらっしゃる。
この期に及んで、何を言っているのだろう?
慰霊が政教分離に触れるなら、韓国の靖国ともいうべき顕忠院には与野党限らず、皇族までお参りしている。それには口をつぐんだまま、日本人の戦没者を祀る神社への参拝のみ斬るのは論理に整合性の欠如。
更に・・・
◆終戦記念日の靖国参拝は、75年の三木首相から85年の中曽根首相まで普通に行われていたのに、それを政治問題化させたのは他ならぬ朝日新聞ではなかったか?
◆1952年に連合国の軍事裁判で刑に処せられた者は国際法上の犯罪者として見なされないという、法務省の見解が出されたのは1952年。
◆1953年には遺族援護法の改正も行われた。
◆BC級戦犯から靖国への合祀が始まったのが59年。
◆A級戦犯の14人が合祀されたのは、78年で、その翌年初めて参拝したのが大平首相だったが、中国韓国ともに抗議などして来ていない。
焚き付け、煽り立てたのはいったい、誰なんだ。
>しかも、北京で来月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日中首脳会談の実現に向けて、関係者が努力を重ねているときである。それに水を差しかねない行為を慎むのは、閣僚として当然だ。
中国は慎まなくて良いのか、日本だけになぜ押し付ける?
>A級戦犯が罪を問われた東京裁判には、勝者による裁きといった批判がある。それでも、日本はサンフランシスコ平和条約で裁判を受け入れ、これを区切りに平和国家としての戦後の歩みを踏み出した。
細かい英語の誤訳とニュアンスの説明は省くが、日本はtrial「裁判」を受け入れてはいない。受け入れたのはjudgements「判決」である。
すり替えたのは小和田恒氏であり、そのことへの批判は識者複数名が指摘している。せめて両方の説を併記すべきであろう。
>また、中国や韓国のみならず欧米からも、日本がかつての戦争責任や戦後の国際秩序に挑戦しようとしているとの疑いが出てくる。
戦争は日本が単独で一方的に起こしたわけではない。
>高市氏は、戦後50年の「村山談話」などにかねて疑問を示してきた。
村山談話には不当性が濃い。それを日本の政治家が指摘、主張してなんの不都合があろう。
>自民党政調会長や総務相として安倍首相に重用され続けている高市氏の言動は、個人の思いにとどまらず、政権の意思と受け止められかねない。
政権の意向で、まずい理由を知りたい。基本的に安倍内閣は「戦後レジウムからの脱却」である。
>その高市氏が靖国神社に参拝すれば、国際社会が抱きつつある疑いをますますかき立てることになりはしないか。
朝日の言う「国際」は、中国と韓国、北朝鮮である。
それは「国際」ではなく「特亜」と認識されている。まっとうな日本人たちからは。
>戦後70年が控えているというのに、いまだ歴史問題にピリオドを打てないのは不幸なことだ。
ピリオドを打たせないのはどの国々だろう?
>だれもが参拝できる新たな追悼施設をつくるといった、抜本的な解決策を真剣に検討すべき時だ。
千鳥が淵がすでにある。
作りたければ朝日新聞の敷地を提供なさってはいかがだろう。慰安婦捏造報道への反省を込めて。
朝日新聞 2014年10月17日
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?%E9%9D%E5%9B%BD%E5%8F%E6%8B%9D%E2%95%E9%AB%E5%B8%E3%95%E3%93%E3%81%E8%AA%E9%8D%E3%99%E3%B9%E3%8D%E3%A0
備考
昭和60年11月8日、
衆議院外務委員会での小和田恆外務省条約局長(当時)の答弁内容。
これは社会党土井たか子議員から東京裁判(極東国際軍事裁判)の訴因とされた「平和に対する罪」とサンフランシスコ条約(日本国との平和条約)
第十一条の解釈を問われた小和田局長(当時)の答弁である。
「極東軍事裁判の評価については学問的にはいろいろな意見がございますけれども、国と国との関係におきましては日本国政府といたしましては極東軍事裁判を受諾しているわけでございます。
その裁判の過程におきまして「平和に対する罪」ということが起訴理由になっておりまして、その訴因の第二十七で、被告が中華民国に対し侵略戦争並びに国際法、条約、協定及び保証に
違反する戦争を行ったということが挙げられておりまして、御承知のような判決が出ているわけでございますので、そういうものとして政府は受けとめておるということでございます」
>日本国政府といたしましては極東軍事裁判を受諾しているわけでございます。
受諾などしてはいない。
東京裁判では”Judgements”つまり個々の「判決」を受諾したのであって、裁判の過程や裁判の示した歴史観まで全て受け入れたわけではない。