見物自粛の東京マラソンに集結したのが7万人超。
子供たちも我慢を強いられている時に、いい歳をした大人たちが。
ことは自己責任の範疇ではない。 マスクに手袋着用、消毒液を持参していても問題はそこにはない。 日本中でお互い「出来る注意」はしようね、と呼びかけあっている最中に、自粛の注意勧告を無視して7万人もの集結では、なんだ人混みはまったく平気、自粛の必要なんてないじゃないか、というメッセージを広めてしまわないか。中には「ウィルスに負けない人々の熱気」とのコメントも。ウィルスと勝負して勝てると思っているらしい。
しかしこうまで人の関心を引き寄せつつも 話題の走者は総合一位でもなく、五輪メダルには今の走りでは無理などということを後追いで知り、ちょっと虚脱した気分。それでもマラソン愛好家にとっては、自粛呼びかけを無視しても出かける価値あるイベントなのだろう。
神経質になる必要は全くないし過剰反応はよろしくないけれど、出来る範囲の用心はお互いしようね、ということだけである。うがい手洗い、マスク。そして不要不急の人混みには敢えて出向かない。
そんな中で「劇場閉鎖は、演劇の死」とぶちあげる人も。
それなら、閉鎖されるすべての学校もコンサートもすべてが「死」なのか?
一人が罹患したら、その後予測される混乱と騒動は視野にないらしい。
こういうぬるい意見を 無責任な7万2千人が更に誘発する。 クルーズ船下船の罹患者がスポーツジムに出かけ風呂に入ったその不心得も、7万2千人の意識の低さの延長線上にあるのではないか。
警戒すべきは、コロナにことよせて政権批判にすり替える動きであろう。政権の対処をすべて肯定しているわけではないが。とりわけ初期対応の拙劣さに対しては擁護はまったく出来ないが。諸事情をさておいても、中国人の入国禁止に踏み切るべきではあった。
だが では仮に誰が、どの政党が見事な対処が出来ただろう?その視野で見れば安倍政権の措置を100%否定で受け取るのは違いはしないか。
それにしても、横浜港のクルーズ船の乗客だった静岡市に住む60代の男性が下船直後にスポーツ クラブを訪れて浴室を利用していたとは。この男性はこの後、新型コロナ ウイルスに感染していたことが確認された。 静岡市はこの男性が嘘を意図的についていたということではない、とかばうごとき対応だが、嘘はついていたと思うが? この男性も7万2千人の意識の低い人々の延長線にあるように思う。
■静岡市の感染男性、スポーツクラブ利用の経過
▼2月20日(木) クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を下船し帰宅。午後5時44分~6時19分、同市葵区のスポーツクラブセイシン千代田を利用
▼2月22日(土) 午前11時10分~11時50分、男性が同クラブを利用
▼2月27日(木) 男性が息苦しさを訴えて同市の医療機関を受診
▼2月28日(金) 午後5時ごろ、PCR検査で男性が新型コロナウイルス陽性と判明。同8時、市は記者会見で男性の外出について「近所に2回、買い物に出た」とだけ説明
▼2月29日(土) 午後7時20分ごろ、同クラブ職員が、下船者が施設を利用している可能性があると市保健所に連絡。午後11時半ごろ、市保健所が男性の家族に連絡し、男性の施設利用を確認
▼3月1日(日) 午前https://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/742190.html
フランスでは、パリマラソンが中止。5000人以上が集まるイベントは自粛、握手さえ禁止だそうな。世界で最も来館者数が多いルーブル美術館は、ウイルスへの懸念から職員らが出勤拒否で閉鎖。これをしも「美術の死」という人がいるのだろうか。閉鎖は建物であって中身ではない。 演劇他も同様である。しばしの辛抱が出来ない大人たちがいる。