松島元法務大臣が、うちわを配ったことに対していまだ
「問題はない。あれは資料だ」と言い張っていらしてその潔くなさに
呆れ、またここでも「男を下げた」という言い方を転用するなら「女を下げた」。
要するに人間としての格を下げた。
うちわをうちわでないと言い張り、またテレビが案外追求しないが、
この方が「資料」と言い張る、うちわに印刷された文言は
自己PRのキャッチフレーズでしかない。画面につかの間写るうちわで、いつしかその
印刷された文字も読み取れたのだが。
自己宣伝を資料と言いくるめる不誠実。
政治家としての資質以前に人としてまずどうなのだろう。こういうレベルの
方を「女性だから」という理由で起用するのは、こういう問題が起きる以前から
私は疑義を呈しているが、もう止めて頂きたい。
小淵元大臣の支援者演歌歌謡ショーご招待も旧態以前で、そのセンスは
もうそろそろこの時代に再考されてはどうか。
娯楽提供で人気取りしてもそれはしょせん、政治家としての人気ではない。
それにしても、改めて思ったことだが・・・・
組閣当時、階段に居並ぶときこのお二人の衣装の何とTPOを心得ていず、
下品なこと。
政治はカクテルパーティでもハロウィンの仮装パーティでもない。
決意を示すのに、真っ赤なしかも似合わないレーヨンみたいなドレスをまとうのは
他とのバランスという意味でも、場に対する覚悟と敬意という意味でも
突拍子がなく、これは衣装のセンスのレベルである以上に、その方の
人間性と、政治への姿勢が現れるところだろう。
周囲との調和を無視した柄物も浮いて、そういう意味ではみにくい。
ドラマに携わって来た者として、衣装とメークには一家言あるので
言わせていただくが、松島元法務大臣のメークもあれは下品。
引き算で慎ましくおやりになるべきところ、勘違いメークの典型。
欠点の強調メーク。
素人には多いのだが、一度プロにやってもらっておぼえられるとよい。
すぐ自己流に戻るので、何度か。
身近な勘違いメークの女性にはお節介を言って、メーキャップアーチストの
お世話になって頂く。
結果は常に上々で周りも、あの人いきなりきれいになったわね、
そして「井沢さん何か言ったでしょ」と来る。
そう、お節介なんである。
言うことを聞いてくれる人は上首尾なのだが、「あなたは膨張色を着たらだめだよ」
と言っても、頑として意味がわからぬ人もいる。
自分が好きな色と似合う色は必ずしも一緒ではない。
そうは言わないが「あなたは、ほどよく肉がついているのに、膨張色着たら
膨れ上がるんだから、引き締める色をまといなさい」と、そういうことなのだが
理解出来ない。
衣装は知性でもある。
・・・・・・「他者からどう見えるか」という要するに衣装選びとメークの基礎は
「客観性」であり、階段に居並んだ時、突拍子もない新大臣はとりあえず
要警戒である、というのが持論だが、今回はからずも二人とも、
同時に失格とはあいなった。
和服がとりあえずいいと私は思う。最大の礼服であり、また日本人の心意気なのだから。
ドレスが似合う女性政治家なんて、ほぼいやしない。
年代的にまだ胴長短足なんだから。顔は大きいし。