亡き親友の奥様と帝国ホテルのラウンジでお会いした。
毎年私の誕生日を祝ってくださるのだが、今年は小説の執筆を
抱えていたので、日延べして頂いたのだ。
雨催いだし、億劫だったが着物になるべく袖を通すと決めたので、
大島を着た。羽織を羽織ってちょうどいい、肌寒さ。
お嬢さんが佳子さまとご学友で親しく、お泊りしたこともあるそうで、
その時、ソックスを借りる必要があったので拝借したら
左右違うソックスで、要するに片方がダメになったソックスを
捨てずに残った片方ずつをペアにして、大事にはいていらっしゃるという
ことだった。詳述は避けるが、現れる紀子さまもたいそう質素で
いらっしゃるようだ。
外遊の折の、見事な和服や帯(要するに仕事着であろうか)からは想像できない、慎ましさのようだ。
あと興味深くうかがったのが、佳子さまが紀子さまに対しては
気楽に対していらっしゃるのが、父上からお呼びがかかると、
背筋を伸ばして「はいっ」というご様子だとかで、友人の
奥様の言葉では「父親の厳しさと母親の優しさの均衡が
上手に取れている」そうだ。
大学の受験のことなども、うかがった。
帝国ホテルのラウンジを出て、日比谷公園を散歩がてら
松本楼に寄って食事。