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Channel: 井沢満ブログ
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ありがとう

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愛犬たちのことをちょっと書いたら、それで慰めになる人もいらっしゃるようなので

臆面もなく再び・・・・。

飼っているとは、一度も思ったことがありません。

共に暮らしている、という以上に病身で多忙を極めていた頃の私の暮らしの

険しさを慰め、支えてくれる存在でもあり、人としての至らなさを教えてくれる存在でも

ありました。

“ふたり”いたのですが、双方悔いの残る送り方でした。

人は十分にしてあげていた、となぐさめてくれるのですが、いかにも私自身に優しさや

包容力が欠落していたし、そのことをしたたか思い知らせてくれた存在でもあり、

自分の未熟さから来る貧しさを、ごまかそうとは思いません。

彼らのことを思わぬ日は、彼らが去ってからこのかた、十年、十数年ですが

一日たりとありません。

思うとともに、人としての我が身の未熟さゆえ、行き届かなかったことを

詫びています。

下の子にはもしあの世があるのなら、教えてくれと生前から言い聞かせていたのですが、

驚くべき方法で「あちら」からコンタクトして来た話は、以前書きました。

保険会社の広告誌に書き、それを読んだ室井滋さんが週刊文春で紹介、

それがペット雑誌にまた載り・・・・というふうで、ひところは大勢の方に

読んでいただいたのでした。

愛するものとの別れ、それは相手が人であれ、動物であれ痛みを伴いますが

でも、魂は死にません。それは、体験しています。

去った犬達はコンタクトして来ていたし、去った人と「会話」の体験もあります・・・・。

魂は生き通しで、進化を目指します。

そのためにこの世に来ます。この三次元に。巡りあう動物もまた恵みであり、教師でもあります。

“ふたり”目の子は、動物病院に連れて行く、手提げの中で息を引き取りました。

引き取る瞬間、私を見上げ見つめた眼の、光の強さを私は忘れません。

万感の思いを込めた目の色で、動物のそれとも思えませんでした。

去る、と彼はその時悟っていたのだと思います。

全身全霊で、私に語りかけて来た瞬間でした。私の心に、いいえ魂に刻印するように

強い目の力で。

そして彼は呼吸を止めました。

誰にも死は知らせませんでした。

でもほぼ一ヶ月後、知人から電話がかかって来たのです。

「逝きました?」と。

正確な日付もその人はいいました。驚く私に、

「挨拶に来てくれたんですよ。においまでしました。井沢先生のことを心配してましたよ」

そう、伝えてくれ、その時私は、生前「死んで、その後の世界があるなら、必ず

あっちから教えてくれるんだよ」と言い聞かせていたことを思い出したのでした。

それを皮切りに、彼から時々メッセージがいろんな形で来るようになり、

ついでに、おにいちゃんのほうも、面白い形で自分の存在をアピールして

くるようになりました。

私はもともと生に執着いたって淡いほうなのですが、残り時間が少なくなるに連れ

いよいよ平穏な気持ちで、むしろその日を待ちわびるような思いでいるのは、

彼らとの再会の可能性を思うからです。

彼岸と此岸とに分かれていてもコンタクトがあるのなら、こちらも肉体の軛(くびき)から

解き放たれれば、より接触が可能になるのではないかと。

一瞬の命のきらめきが、美しく愛おしいことを教えてくれたのが

彼らでした。

 

左が、ぎんぺー、パピヨンでお兄ちゃんです。

右がちょんきち、太めにしてしまったがチワワです。

余り公開したことがないのですが・・・・

見てくださってありがとうございます。

彼らを知ってくれていた人たちも、一人逝き、二人去って、彼らの存在も

この世からは薄れて行き、いずれ私も消えます。

でも、この世からの消滅はあの世での誕生です。

人にしろ動物にしろ、愛しい存在を失くして、泣いているあなたへ。

思いはあちらに、届いています。

「ありがとう」「愛しています」と伝えてあげてください。

「永遠に一緒だよ」

と。

 

追記 前の文章から

冬物を何点かクリーニングに出そうとしていた手が止まった。

紺の太い毛糸をざっくりと編み込んだ、ヨージヤマモトのベストに、ちらりと

白い短い毛がついていたのだ。

一瞬、時間が止まった。

10年前に見送った愛犬の毛だった。


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