Quantcast
Channel: 井沢満ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1913

大衆演劇に学ぶ着物

$
0
0

浅草は木馬館に大衆演劇を観に出かけた話はした。

スーパー兄弟一座の座長さんに、DVDを頂いてまた

見ほうけたりしている。

男たちの着る和服が参考になった。

たとえば、淡い金糸を縫い込んだ厚手で幅広の帯を、持て余し気味だったのだが

舞踊中の帯に、似たのがあって、ああ、こういうふうに締めるのかと

参考になったし・・・・

あと、若者に着物を着て欲しいのだが、基礎は学んで最小限心得て欲しいにせよ、

あまり窮屈にせず、準着物のような感性のデザインがあってもいいであろうと

思った。

むろん、きらびやかな舞台衣装がそのまま使えるということではなく、

帯はサッシュの感じで、横に結んでもいいだろうし、膝下まで来る

長い羽織も場合によってはいいだろうと。

若く、(広い意味で)美しい男なら、少々の華美も逸脱も大丈夫だろう。

例えば、黒の着物に黒の帯、裾模様に大きな牡丹一輪、と傾(かぶ)いて欲しいような。

私は苦手だが、若者に人気のスカルプ(髑髏)を帯に刺繍してもよい。

テンガロンハットをかぶってもよし、片肌脱ぎで襦袢の華やかなの出してもいいし。

・・・・・あくまでも、若い(広い意味で)美しい男限定なので、文句言わないで欲しいのだけど。 笑

私は分相応に小さな冒険、男物にはいちおうタブーの白い長襦袢、

蜻蛉柄のグレーの絽に合わせたくて、強引に蜻蛉が浮き出た白の半襟。

着る一重がグレーとか、だとさして気にならぬだろうし、濃い色目の単衣でも

種類によっては面白いかもしれぬ。

 

草履も、鼻緒に蜻蛉のを見つけて手に入れた。

鼻緒に蜻蛉は珍しいのに、ひょいっと出会ったのだ。「念ずれば花開く」。

蜻蛉は前へ前へと直進するので「勝ち虫」とも言うそうな。

武将が好んで意匠に用いたという。

下のは、これも長襦袢である。そのまま着物になりそうな、袷である。

半襟をつけず、襟はこのまま出して使おうと思っている。

しかし、一度も袖を通さぬうちに袷の季節は過ぎる。

昔とは季節感も違うので、あまり細かくこだわることもないような気がする。

たとえば、冷房がキンキンに効いたホテルの会場に、これも冷房の強い

車で移動、外気には触れず・・・・というごとき外出の時、絽では

震え上がる。女性のように、ショールを羽織れるわけでもないので、

男はせめて合着は許して欲しいと思う時がある。

真冬に、当然袷で出かけ、暖房の暑さに扇子を使いっぱなしのこともある。

7,8月の盛夏に袷はまずいが、色目が季節感を外れてなければ多少の

融通はいいのではないだろうか、と思う。

夏で思い出したが、海島綿(かいとうめん)の長襦袢を今頼んでいる。

sea island cotton=海島綿はカリブ海に面した島々で生産される。

贅沢なんだが、吸湿性に優れ肌触りがいい。家で水洗いが出来る。

「衽のない関東仕立てと衽(おくみ)のある関西仕立てがございますがどちらがお好みでしょうか」

と問われたが、今ひとつ衽自体が、解ってない。私はおそらく関東風でのみ

これまで仕立てて来たのであろうから、まだたぶん経験のない「関西風で」とお願いしておいた。 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1913

Trending Articles