洗い張りに出していた越後上布が、しつけ糸をつけて
仕上がってきた。
ついでに身幅も出してもらった。
和服は一見高価なこともあるが、一生ものであり、コストパーフォーマンスは
非常に良い。
越後上布は織手がいなくなっているとかで、これは現在求めれば
2~300万円だそうだが、30年前に誂えた当時はそんなには払ってはいない。
値が上がっても、むろん売る気はないから関係は無く、
それより織手の払底が気にかかる。
これだけは遺言をつけておいて然るべきところに
寄贈するようにしておいたほうがいいのかもしれない。
このクラスになると、文化財の域だろうから。
色が正確に出ないが、上下の中間ぐらいのところ。
やってもらったのは、人形町の「たんす屋」さんだが、行く途中
行列ができていたのは、シャモ鍋の店である。
「たま秀」といい、創業が1700年だそうだ。
私は鶏は不得手だが、好きな人はちなみに地下鉄人形町駅A2出口から徒歩数秒。
甘酒横丁の近くである。
人形町は歩くと、ふと意識が江戸時代にワープするような気がする時がある。
甘酒横丁を歩いていたら、創業明治40年という、がんもどきを商う店で「味付け湯葉」というの
を売っていたので買ってみた。
この店では、甘酒も商っていて、甘酒のソフトクリーム、豆乳のソフトクリームもあり
店の前の縁台に腰を下ろして人々が食べている。
人形町という町名の由来は、むろん人形作りが多くいたことからのようであり、
芸者の置屋、芝居小屋などもあり、町にそこはかとなく残る色っぽさは
そのせいだろうか。