「徹子の部屋」に出ていた内館牧子のパンツスーツの上着が
純白に金糸(に見えた)の縫い取り。
見事で、つい「あれ、オートクチュール?」
とファックスで問い合わせたら、いつものシンハラ文字・・・・小さな
カタツムリのような字で、「あのJKはロベルト・カヴァリのものです」と
返事が来た。ただ者ではないオーラを放った衣服だったので
訊いたのだが、やっぱりね。
同じシルク素材のパンツは別注なのだそうだが、質感も色もピッタリなので
併せて使ってみたとのこと。
徹子の部屋に作家が出るときは、テレビ朝日に連ドラを書くときで
番宣兼ねてのことだが、案の定今連ドラ執筆中のようだ。
私がテレ朝に連ドラを書いた時は、徹子の部屋ではなく
三浦友和さんとの対談番組を組んでもらった。
その時、三浦さんご夫妻が結婚以来、ケンカはいっさいないと
聞いて驚いたのだが、全アジアをとりこにしたようなミューズ百恵さん
相手だと、拝むような心境でケンカなど及びもつかないことなのかもしれない。
友和さんは穏やかな方だし。
しかし百恵さんのオーラは少々時が経ってもまだ
残光がある。
レスリー・チャンが東京でコンサートをしたとき、楽屋を訪ね、
目の前をスーッと通り過ぎたので、
「百恵さんのプロデューサーがここにいるよ!」
と英語で言ったら、ピタッと足を止めた。
恐るべし、百恵さんの御威光。
百恵さんを育てたプロデューサーがそばにいたのは事実であるが、
咄嗟の機転で、百恵さんの名を出した自分を褒めてやりたい。
おかげで、レスリーは楽屋に引っ込む足を止め、少々会話出来たし、
写真まで一緒に撮って貰った。
大切にしまっていたはずなのだが、いつの間にか失せた。
あまりレスリーが綺麗に撮れた写真ではなかったので、
美意識の高かったレスリーが、天国へ持って行ったのかもしれない。
・・・・・と、そんなことを、ふと真面目に思わせるほど、不思議な
オーラをまとった人であった。レスリーはカナダに妻子がいたが、
男同士の恋情がらみで自死を遂げた。
あるいは、老いて美しさが失せることを拒否したのかもしれない。
美女は、かなり図太く生き延び、それなりに化粧で美を保つが
美しい男の凋落は、無残ではある。
レスリーの映画は「覇王別姫(さらば我が愛)」が別格で、その他には
トニー・レオンと共演した、ウォン・カーウァイ監督の「ブエノスアイレス」だろうか。
内舘さんのジャケットの話から、なぜだかレスリー・チャンに話が及んだ。
ちなみにシンハラ文字は古代インドに発祥した文字で、スリランカで
今も使われている、流線型のカタツムリみたいな字である。
私はその時の気分で、字は大きさも形も変わるが内館のは
常に一定の小さな文字で直しもない。
体育会系で、私のように気分で書くことをせず日を割り振って、
自分自身を運動部のマネージャーのように、律して書くので
スケジュールに破綻を来すことがない。
ひところ、彼女の書くエッセーにしばしば私は登場したが、最近は
知らない。「週刊朝日」では、私をネタに書くこともなかろう。
昨夜、たまたま内館ドラマ「エイジハラスメント」(だったかな?)を
見たが、現代ものの勧善懲悪ドラマみたいで悪役がはっきりしていて
面白かった。