人がある言葉を投げられたら、言い返せず黙ってしまう言葉があります。
「レイシスト」「歴史修正主義者」がその代表格でしょう。
しかし、正当な批判を「レイシスト」呼ばわりされることも多く、また「歴史修正主義」という言葉も、定着してしまって深く考えることもしなかったのですが、思えば妙な言葉です。
歴史は、修正するも何も事実は1つきりで、その解釈が見る角度によって異なるだけです。
「歴史修正主義」とは、思えば日本が歴史の事実を語り始めると、主に中国や韓国から浴びせかけられる言葉ではないでしょうか。
それも、ご都合主義なのであって、たとえば慰安婦。あの時代の倫理観では売買春を悪いこととはしていませんでした。それを現代の価値観で斬るほうが、歴史修正主義と言うべきでしょう。
本当に厄介なのですが、慰安婦に強制性がないことが露見したら、今度は女性の人権に批判をシフトして来ていて、それだけではなく敢えてごっちゃに論じて、強制の事実がなかったことを、覆い隠そうとしています。
なかったことを、あったことにしてしまう。それは南京大虐殺も同じですが、それこそ「歴史修正」ではないのですか? 修正されてしまった歴史を正しい形に戻すことを「修正主義」とは言いません。
日韓併合に、搾取非搾取の構図はないのに「植民地」という言葉で一括りにしてしまうことこそ「歴史修正」でしょう。一体世界のどこに、植民地として支配下に置いた国に学校を建設して教育熱心であったり、病院を建て平均寿命を二倍近くに上げてあげたり、国家予算規模のお金を投じてインフラを整えてあげたりした国があったでしょうか。
植民地というなら、仮に植民地としても、かつての植民地に対して莫大な倍賞をしたり、謝り続けている国が日本以外、どこにありますか?
自国から大枚を持ちだして、半島の近代化に誠意を尽くし(植民地ではなく、自国だと思っていたからです。同胞扱いだったから)、挙句植民地呼ばわりされて、賠償させられ、謝罪させられ続ける国、日本。
相手が「よし」と言うまで謝り続けねばならないのだそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150809-OYT1T50007.html
抜粋
稲田氏「東京裁判検証」の党内組織検討…懸念も
2015年08月09日 09時30分
自民党の稲田政調会長が戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)などを検証するため、 党内組織の設置を検討していることに、与党内から懸念の声が出ている。
検証の内容次第では、国際社会から「歴史修正主義」との批判を招きかねないためだ。
略
憲法制定過程への連合国軍総司令部(GHQ)の関与など、戦後占領政策も幅広く検証する。
ーーーーーーー転載ここまでーーーーーーーー
国際法上は違法である事後法の東京裁判の検証が、なにゆえ「歴史修正主義」になるのか、理解に苦しみます。おまけにその懸念が与党内から出ているというので、余計に解りません。怯懦なのか、日本が濡れ衣を晴らすのが面白からぬ人たちが与党内にいるのか。
むしろ、今まで政府レベルでの東京裁判見直しがなされなかったことが、不思議なくらいです。あの裁判こそが、その後の日本が背負わされたゆえない苦しみの元凶なのですから。
それゆえに、自国の神社にお参りすることを他国からとやかく、言われ続けねばならぬ原因なのですから。
よく指摘されるように、日本は東京裁判の判決を受け入れはしましたが、裁判自体を肯定したわけではありません。
英文でjudgments(判決)を受諾する、と書かれてはいますが、「裁判」を受諾するという意味のtrialかproceedingsは使われてはいません。
そう明確に指摘されたのは西尾幹二氏です。
http://www.nishiokanji.jp/blog/?p=1155
日本人が非常に触れづらい、土井たか子氏と小和田恒氏との国会におけるやりとりにも、言及されています。
私は稲田朋美氏の東京裁判見直しこそ、歴史修正ではなく歴史を正しい姿へと戻すための、再検証だと思っています。
歴史修正主義として批判する人々には「間違った解釈を正しく修正するのが、なぜ悪いのですか?」と言いたいと思います。