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Channel: 井沢満ブログ
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ほっと一息、安倍談話

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安倍談話を固唾をのみながら待ち構えていました。今後の日本の行方を占うという意味で節目の談話であるし、個人的なことを申せば明日、靖国神社の「戦没者追悼中央国民集会」で、ご挨拶をせねばならぬ身、総理の談話しだいでは、気分が滅入るのも困ったことだ、と。

事前に「侵略」「植民地」「反省」「お詫び」という文言を入れるということを聞いていたこともあり、安倍総理には村山談話の閉塞感を打破してくださることを切望していたので、気落ちしていたのでした。

結論から言えば、満点でした。

僭越ながら、言葉のプロの端くれから見て上々の出来。

「侵略」他の、談話「4点セット」言語は用いましたが、文脈に巧みに溶けこませ、耳障りではありませんでした。従軍慰安婦という言葉も用いず、「女性の人権」と何度も繰り返したことも効果的。韓国が女性の人権を言い立てるなら、今日本に何万といる韓国人の性ビジネス従事者を、救い出しに来いよ、とおそらく多くの保守層が思ったでしょう。言外の含みもありました。穏やかな反撃の刃です。でもそれを刃とは見せない芸。

侵略、植民地、反省、謝罪、といわば与えられた「お題」を盛り込みながら、しかしその言葉は、内容に埋もれさせ薄めた話芸でした。相当練られた文章です。

原稿に目も落とさず、腹から語り、語り口も見事でした。もともと、滑舌のいい方ではないのですが、今回はゆっくりとたっぷり目にお話しであったので、それも気になりませんでした。
腹をくくった人の、静かな迫力をも感じました。

子どもたちにまで、謝罪を負わせないように、というフレーズも端的でよかったと思います。正確には「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」。地頭のいい方なのだと思います。外務関連の誰それと異なり受験脳ではない頭の良さ。

記者質問で、村山談話に関して安倍総理が昔語ったこと「村山さん個人の史観でおおやけに語って貰っては困る」(大意)というのがあり、それと今回の談話の整合性を質問する記者もいましたが、役目とはいえ野暮なのであって、要するに個人安倍晋三としての思いはそうであるけれど、現職総理としての安倍はこう話すしかないのだよ、ということでしょう。

私も、個人的には村山談話など閣議決定でひっくり返して欲しいのですが、しかし隣国周辺を考えると、こうして一見「村山河野談話継承」と、つらっと言いながら、腹はちょっと違うぜ、というのが政治家の立ち位置としては正解なのかもしれません。

村山河野談話否定は、私たち国民の役割でしょう。

安倍さんは、ああいうふうに立場上発信しているし、国民もおおやけの発信としてはあれを認めるけど、しかし国民レベルでは日韓併合を植民地などと思ってないし、まして慰安婦なんか高給を約束されていた性ビジネスなんだ、とずっと言い続けるべきでしょう。

出来が良い談話であっただけに、中国と韓国は騒ぐでしょうが、騒がせておけばよろしいです。あまり謝罪、謝罪とうるさいようなら鳩山さんの土下座写真を見せればいいでしょう。詫び芸人、顔芸泣き男としての、ご活躍を期待します。
頭をポンと叩いたら「ごめんなさーい」と連呼しながら中国と韓国の方に向かってクンジョル土下座して頂きましょう。

総理談話の始まる前、民放で石原慎太郎さんたちが出て討論番組のようなことをやっていて、ちらっと見ていたのですが、石原さんは思っていたよりお元気で相変わらずの石原節で、まあ良かったとは思いましたが、中継で参加していた村山さんの言葉への反応など「村山さん年取ったね」というごとき応酬ではなく、村山さんのお花畑談話に真っ向から斬りこんでいただきたかった、そう思いました。石原さんも都知事を途中でお辞めになったり、尖閣の募金をそのままであったり、あれこれもの申し上げたいところもある方ですが、情報戦という戦争の最中にあっては、貴重な論客ではあり続けられました。

村山元総理のご意見は「ブレずに」お花畑で、この方本気で話し合いで、日本は攻め込まれないし、平和憲法という紙に書かれた文言で平和が保てると思っていらっしゃるのですね。

それが事実なら、なぜ日本で平和憲法が誕生して70年も経つのに、「うちもそうしよう」と後に続く国が皆無なのはなぜでしょう。
莫大な防衛費の代わりに、「戦争放棄します」と憲法に決めて、平和が担保されるなら、こんなにいいことはないのに。

でも誰もが、憲法で平和が守れるとは信じていないから、どの国も日本の後に続こうとはしません。

 


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