字面だけ読んでいる人たちは「村山談話」の繰り返しだと言いますが、そんなことはなく、村山談話を上書きした、とまでは言いませんが、日露戦争を持ち出したり、通常なら主語をはっきりさせるところをぼかしたり、工夫を凝らした村山談話へのアンチ声明文であったと、私は思っています。
どなただったか、「行間を読むべき談話」と発言していらして、私も全く同様の感想です。文書で字面だけ見ていては、解らないかもしれないたぐいの文章でもあります。安倍総理が音声として発されたあの、エネルギーと申しますか「本当はこれを言いたいのだぞ、しかし言えないからこういう言い方をするが、解ってくれ」と、そういう文章で、それがそのまま現在日本が置かれている厄介な立場を象徴しているのだと思います。
多少は芝居を心得ている人間として、鳩山さんのあの韓国での行為が三文芝居だと即見えるように、安倍さんのあの声音、表情は繕ったものではない、とは言えます。安倍総理の全てを肯定するわけでもないけれど(全肯定出来る政治家などいないだろうし)、あれは気持ちのいい談話でした。思うことの全てを率直に語っているわけでもないけれど、至誠は感覚として伝わって来る、そんな談話だったと思います。
長すぎるいう意見に対しては、あれだけの長さが必要だったのです。ある意味、嘘を言っている・・・という言い方も語弊があるのですが、言うに言えない部分があるので、そこを言外に伝えようとすると長くならざるを得ないのです。
主語が曖昧だという評価も聞きました。わざと曖昧にしているのが、解らないのでしょうね。英訳するときは相応の工夫が必要だと思いますが。行間を読めない者が訳すと、的を外したものになると思います。
一夜明けて、相変わらず悪評も耳にするので、書いてみました。