彼がまだ光GENJIにいる頃から「樹生ちゃん」と言っているので
今更大沢さんとか樹生さんとかは言いづらいので、樹生ちゃんで
通します。結婚前から付き合いがあります。
ご飯を食べたり飲んだり、一泊の小旅行に出かけたことも。
フジのクイズ番組にペアで出たことも。
裁判の結果が出たので、また頻繁に彼の顔をテレビで見ます。
あの涙の意味を、その重さの意味を知っている者の一人として
一言述べたく思いました。
私は幼いころの元息子さんにも会っています。
私が樹生ちゃんに付き合ってもらうときは、彼は
実家のお母様に来てもらっていたようなのですが、
ある日、そのお母様の都合がつかなかったようで、
「でも、まんさんに会いたいから、おれ息子連れて行っていいかなぁ」
ということで、やって来たのでした。
見ればもう留守番も出来る年頃、大切に可愛がっているんだなぁと
思ったのでした。
元息子さんが外国でだったか‥‥‥‥・発病して、青くなって
彼が走り回った姿も知っています。
お母さまに預けて、私と会っている時元息子さんとお母様の
間で何かトラブルがあったようで、元息子さんに向かって
樹生ちゃんが電話で、こんこんと言い聞かせている姿も
見ています。へえ、こういう時の彼って怒鳴ったり叱ったり
せず、優しく言い聞かせるんだなあ、とそれも記憶しています。
父子家庭の大変さの片鱗を見たのでした。
そんな毎日の積み重ねで16年間という歳月は長いです。
「子供が可哀想」というのはこういう時の定番ではあるのですが、
そしてその通りではあるのですが、その言葉を一番胸に
突き立てているのは当のご本人でしょう。
絶句して涙をこぼした彼の心中が解るので、私もそれを言われる
ことの痛みをいくらかは彼と分かち合いました。
根が繊細で優しい男です。
16年という歳月を我が子として慈しみ悩んで来たその歴史を
自ら否定するごとき思いもあるでしょう。
彼がおそらくはその優しさからであろうと思うのですが、黙り通していることも、あります。
以前、かくのごときことを拙い援護のつもりで書いていたら
どういう立場のお方か、いささか恫喝めいて書くのを止めるよう
言って来たことがあります。また来るのかもしれません。
裁判は終わったので、もう来ないのかもしれません。
私という傍観者のところにさえ愉快ではないのが来るのだから、
ご当人にはもっとストレートにあるのだろうな、とも思いました。
事実、残酷な言葉もぶつけられたようです。
ものを書く人間もそうですが、演じる人間もあらゆる出来事が
滋養になります。今回のこともいつか、胸に深く沈めて演者としての
エネルギーとして発酵させて欲しいのです。
私は彼は、色悪がやれる数少ない役者だと思っています。
歌舞伎用語で色悪(いろあく)というのは、二枚目だが悪人・・・・
「累 (かさね) 」の与右衛門、「四谷怪談」の伊右衛門などです。
もう随分前のことですが、ドラマで演じてもらったことがあります。
思った通りの出来栄えで、プロデューサーも絶賛でした。
その分野で花を咲かせて欲しいと願っています。
彼なら単純な悪にせず、グラデーションで見せてくれそうです。
いささか余談になりますが、DNA鑑定がまだなかった頃の明治時代に
作られた民法がいまだ使われていることに呆れています。
なぜ時代に即して早急に変えないのでしょうか。悪法と化した
民法第何条かに泣かされている人々がいるでしょう。
中国の脅威がリアルになった現在、GHQ憲法が自縄自縛の法となっているように、民法も早急に見なおしたほうがよくはないでしょうか。