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Channel: 井沢満ブログ
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鯖の味噌煮とベルベットの羽織

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鯖の味噌煮と、新規オープンの呉服屋狙いで初雪のチラついた今日、
神田明神下に出掛けた。

鯖の味噌煮で有名なそのお店は月2回しか鯖の味噌煮は出さないので、
まず、それに遭遇することはないだろう、場所確認がてら
昼を食べさせていただこうと寄ったら、なんと本日、鯖の味噌煮日で
あった! 私は引き寄せ力が強いと言って頂いているが、ささやかな
強運に感謝。

鯖は水煮から始めて10日間煮こむのだそうで、ぶつ切りの
肥えた鯖が絶妙な汁を布団に、器ににこにこと横たわっていた。

鯖の味噌煮の他には、自分で勝手によそおうバイキングスタイルで
家庭料理風お惣菜が、5品目ほど、これも温かい味で
じわじわと、美味しかった。これで千円。

じき80歳になられるという目鼻立ちのくっきりとした美しい女将さんが
一人で切り盛りしていらっしゃる。

料理を写していいかお尋ねしたら、インターネットには載せないで
くださいね、と言われた。有名になり過ぎてランチタイムのために
朝9時半から並ぶ客までいて、電話の対応などに往生なさっているご様子。

「また寄せていただくので、顔を覚えていてくださいね」

と言ったら、私の顔はどこかで見た顔だな、と思ってらしたそうで、
それなら、2度目も思い出してもらえるだろう。

界隈はそのかみ、花柳界の街だったらしく、そう聞けば
建物、路地の佇まいがそこはかとなく色っぽい。
お姐さんがたの、石畳に軽やかに鳴らす下駄の音がふと耳を
よぎるようだった。

男坂の急な石段を上り、神田明神で手を合わせ、それから呉服屋に
行ったら、これがもう反物が探して求めていたものばかりで、
息が詰まるほど。
木綿の街着ふうなもの、はじめ要するに「遊びごころ」の
ある反物。男物といえば四角四面の無地が多く、ほとほと
つまらぬと思っていたのだが、ようやく希望に叶う店に巡り会えた。

若者に着て欲しいとかねてより思っているのだが、この店など
初心から入るのに、うってつけであろう。値段も若者が
二の足を踏む金額ではない。
いや、人生を終えるまで着られることを思うと、コストパーフォーマンスは
抜群によろしい。

四十代だという店長さんの着物姿が素敵なので写真に撮らせて
頂いたのだが、相変わらずカメラのコネクターが見つからない。
いずれ。

紅の縦縞の着物、黒いベルベットの羽織を仕立てて頂くことにして、
小物は別珍の赤足袋、パープルの羽織紐、皮のブラウンの角帯、など。
帯は解いてSMプレイの鞭に使えて便利だなぁ、と言ったのだが
誰も笑ってくれなかった。あるいは、本当に被嗜虐遊戯の愛好家だと
思われたのかもしれない。

雨の日も使えるコート、これは出来合いのものを求めた。
色は何と言ったか、ブルーレイ?だったか?(たぶん違うと思う)
青みがかったグレーなのだが、私の目にはシルバーに見えた。
⇒ グレージュだった。ベージュとグレーの中間色。

皮の帯など初めて見たが、店長さんが締めていていい感じだった。
使い続けるうち柔らかくなって、締めやすくなるという。

これらの画像もいずれアップできるかもしれない。
カメラのコードが見つかってからのことである。

店長さんの左右の人差し指に金属の指輪、大小。
小物使いも年季が入っていて、さりげなく見事。雪のちらつく日なのに、
羽織は棉麻の薄手の黒。店内は温かいので・・・・と。
自由闊達である。

“変わり貝の口”の結び方を教わった。それと長いこと、使い方が解らず
放置してあった、襦袢の衿合わせの金具の使い方も伝授して頂いた。

多民族共生とやら、五輪にかこつけて中国人労働者数万人導入とやら、
壊れていく日本を着物で繋ぎ止めたい思いがある。

若者よ、着物を着てくれ。今時の足の長い子なら、随分洋服に近く
遊べる。マントにスニーカーだっていいんだよ。


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