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Channel: 井沢満ブログ
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本日8130歩

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相当歩いたのに、まだ1万歩に届きません。
普通の暮らしをしていて、1日1万歩は無理ではないかと。

ただ私が何かで聞き及んで、1日1万歩歩かねばと
思い込んでいるだけなのかもしれません。

昨日、行きつけの着物のお店に行った時、その店で
教えてもらった、近所の老舗天ぷらの店で昼食を
摂ろうとしたのです。すると「貸し切り」の札。

あいにく、例の鯖の味噌煮が有名なお店は火水木だけの
営業。

今日、むらむらと老舗の天ぷらを食したく、また
秋葉原で下車、歩きたいこともありえんえんと
お店まで歩いたのですが・・・・何とまた「貸し切り」

幸い、鯖の味噌煮のお店が開いていたので
そこに寄らせてもらったのでした。
今日は、カマスだったかな、焼き魚。
熱いおしぼりを自分で取りに立ったり、
大皿に数種持ってあるお惣菜を小皿に
取っている間に、出されたカマスを女将さんが
下げています。

あ、少し冷めたので替えていてくださるな・・・・と
思ったら案の定で、申し訳ないことをしました。
しかし、これが日本人の商いですね。

「生ぬるい」のではない、熱々のおしぼりなんかは、
セルフサービスだけどちっとも
苦痛ではありません。

日替わりの魚はカマスでしたが、味噌汁は
これだけでお腹が一杯になりそうな具沢山、
歩いたせいもあるけれど、この冬のさなかに
背中を汗が伝い、ひょっとしたら生姜を摺りこんで
入れてあるかも。

ここに通わせてもらっていたら、栄養の偏りがないでしょう。

一番乗りであった私の次に来た客たちと女将さんは
関西の落語家さんの愛人問題を話題にしています。

「女のシトが悪いわねえぇ。シミツをばらしちゃうなんて」

「神田明神界隈には政治家が囲ってる人シトたちが
随分いたわよ。あの当時は普通よねえ。誰も
悪いとは思ってなかったもの」

ヒをシという、由緒正しい江戸弁ももう余り聞けなくなったので
私は音楽を聴くように耳を澄まし、女将さんの言葉を収集しています。

倫理観というものは相対的なもので、慰安婦がいた時代の
ことを現代の倫理観で裁くのは不当です。
お妾さんを囲うのも、現代の感覚でというより敗戦後の
西洋流倫理観を刷り込まれた身で見れば許しがたく
見えるかもしれませんが、当時は正妻も妾も普通。

自分の考えや感性で嫌だと思ったり怒ったりしているようで、
人は教育や習慣の刷り込みで、他者に脳を結構預けながら
暮らしています。一生、それが自分の考えであり、感性であると
思い込んだまま。

戦後、西欧倫理といおうか米国ピューリタニズムの影響と
いうべきか、戦前まで当たり前であった価値観が転倒したものに
男色があります。万葉時代から男から男への恋歌が
歌われ、戦国時代は言わずもがな、旧制高校でも上級生、下級生の
間で付き物であったのが、川端康成の時代の恋でした。海軍学校で
同性への恋慕を書き記した皇族の方もいらっしゃいます。
古くはギリシャのプラトン、そして軍隊。

時と場所で価値観は変わります。「生理的に受け付けない」ということでも、
案外、外部からの刷り込みや環境によることも多いのです。
人は生まれた時、まっさらです。

私は物書きではあるし、赤ん坊の感性でいたいと願っています。
小賢しいジャッジは後回しに、とりあえず全てをいったんは、
曇りなき心で受け入れてみる・・・・と言うは易しですが。

今日、8130歩歩きながら考えたことでした。


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