本日も歩くことを念頭に、車は使わず駅も階段を上り降りしてやって来ました、渋谷は文化村。
三田佳子さんがシアターコクーンでお芝居をやっていらっしゃるので、見物に出掛けたのです。
紺地にくすんだ紅の棒縞の着物に、黒地に数本の赤い縞が走った羽織(例の、向井理くんと偶然お揃いの)、それに沈んだ猩々緋の帯。
猩々緋というのは、お店で教えてもらった和色名です。朱と赤の中間の
ような?
羽織は綿麻、着物と帯は初めての綿です。
綿の街着をずっと探していたのです。やっと見つけたのが、神田明神下の
着物のお店です。
綿は絹のように滑らないので、着付けの時にやや戸惑いました。
劇場には本来、綿は砕け過ぎですが歌舞伎座のような和の格式を
重んじる場所ではないし、演し物も洋物で出演者も若い子たちが
多いのと、綿でも仕立ておろしなので寛恕いただこうかと。
三田さんが案の定、敏感に着物に目をやり反応して下さいました。
話している間、幼稚園の仲良しどうしのようにずっと手をつないでいて、
思えば公私共に30年ほどにも及ぶ長いお付き合い。
元気でいつまでも・・・・と毎度祈るように客席から拝見しています。
三田さんは今回は、音痴のソプラノ歌手の役で抱腹絶倒、涙あり。
つくづく、才能に恵まれた女優さんであると思い、その方との
長きに渡るご縁をありがたいことに思います。
三田さんには、昔からテネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」を
やっていただきたく、ご本人にそう申し上げたら「稽古時間をたっぷり、
とってくださるなら、演る」と。「どなたか、やってくださる方を心がけておいて」。
帰宅後早速、心当たりの方へメールしたのでした。
演出とプロデュースを引き受けてくださりそうな方。
「欲望・・・・・」は傑作ですが、ヒロインのブランチをやられた
杉村春子さんが神業の絶品で、その後まだその領域に
達する人が出ていません。
私は三田さんがやれる、と睨んでいます。
絶唱という形で哀切極まりないヒロインを演じてくださると
確信しています。実現したら、最大の贅沢です。・
見たい芝居を見たい女優で、見物出来るのだから。
書き忘れましたが、上記の着物に底が黒の赤い別珍の足袋と、
真紅の皮草履を合わせました。