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Channel: 井沢満ブログ
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駅までの道すがら

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駅から帰路をたどっていたら、和服の老婦人に道を尋ねられました。
私の和服を見て、思わず救いを求めたとのこと。「この方なら、きっと
親身にしてくださる」と。

かなりご高齢なので、道をお教えするだけでは心もとなく、
その方が乗るべき駅まで、付き添わせて頂くことにしました。

あたかも、私がいい人のようですが、それも少しはありますがー笑ー
このところ求めたばかりのスマホに、1日歩いた歩数が出るのにつられ、
その歩数を稼ぐのにかなり凝っているのです。それもありで、
自宅からは遠ざかるその道をご一緒しましょうと、申し出たのです。

「歩くスピードが速すぎませんか」と伺ったら
「いいえ、もっと早く歩けます」

というお返事で苦笑。私が実はゆったりなのです。犬たちのあちこち、止まりつつ歩く散歩を10年以上続けてきて、体に染み付いたテンポであるし、
急ぎ足が生来、好きではないのです。
ひねもすのたり、のたりかな、という調子で歩きます。前世絡みかな、
と思ってみたりもしますが。慌ただしく何かをする、というのが
不得手です。

「足に金属が入っている割には、わたくし足は丈夫なんですの」
と老婦人がおっしゃるので、驚いて、

「事故ですか」と問うたら、「わたくし、日舞を教えておりました。子供たちに動きを
教えこむのに、身の丈を同じに、膝を折り曲げ子供に寄り添って踊りを
教え込んでいるうち、すっかり大腿を傷めてしまったんでございますの」

それでも、ずっと踊っていたおかげで主治医も驚く回復の速さだった、と
お話を伺っているうちに、いつしか駅。

おかげでその日の歩数は、他の歩きも含めて7千歩に達していました。

 


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