Quantcast
Channel: 井沢満ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1913

「お気持ち」発信も、それを受け止める政府も憲法違反

$
0
0

「お気持ち」の内容については、それぞれの受け止め方があるでしょうが、
ただ、法律上の問題は問題としてきちんと把握してないと、憲法の
縛り自体がグズグズになってしまわないでしょうか。

天皇陛下は、「生前退位」というお言葉は一切使われず、お話を
されましたが、内容全体が国民と政府への「生前退位お願い」なのだから、
これは単純に憲法違反でしょう。言葉を使わなくても、談話の指し示す
基本的テーマが生前退位です。

お相手が天皇陛下なので、皆さんなんとなく「なぁなぁ」になってますが
法律の絡むことには、シビアでありたいと思います。

h ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160809-00000185-jij-pol

与野党に論点明示=政府、秋にも検討開始―生前退位
時事通信 8月9日(火)18時38分配信

《以下抜粋》

*政府は、生前退位の意向を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明を受け、有識者会議を秋にも設置し、皇室典範の見直しを含めた検討に着手する。

*また、政府内の検討が国会の論議に先行し過ぎれば、陛下の「指示」で政府が動いたとも受け取られかねず、天皇の政治的発言を禁じた憲法に抵触する懸念もある。

*政府は有識者会議について、憲法学者や歴史家、文化人など10人程度で構成する見通し。会議では、(1)恒久的な皇室典範改正か、一代限りの特別法か(2)天皇の意思に基づかない強制退位をどう防ぐか(3)退位後の天皇の地位―などが法制上の検討課題となる。

 

               ーーー抜粋ここまでーーー

 

>生前退位の意向を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明を受け、有識者会議を秋にも設置し、皇室典範の見直しを含めた検討に着手

要するに、ご発言がどう言いくるめようと、政治関与なのです。

>政府内の検討が国会の論議に先行し過ぎれば、陛下の「指示」で政府が動いたとも受け取られかねず、天皇の政治的発言を禁じた憲法に抵触する懸念もある

どんなにタイムラグを置こうと、陛下の「お気持ち」発表という間接的「指示」を受けて政府が現実に動く(この秋から検討開始)というのだから、陛下による憲法違反、政府による憲法違反抵触ではないのですか?

>有識者会議について、憲法学者や歴史家、文化人など10人程度で構成する見通し。

これは、メンバーの人選がなった時点で、結論ありきです。
したがって国民は、有識者会議の経過と結論の遥か以前に、メンバーの
チェックが必要です。

女性宮家創設の是非を問う有識者会議には、皇后陛下の盟友で
いらっしゃる、男女同権主義者である国連の緒方貞子氏が委員として
組み込まれ、これでは結論ありきの人選だと批判が起きました。

このときは、ちょうど自民党が民主党から政権を奪還した時だったので、
女帝擁立の礎となる女性宮家創設案は、安倍政権が却下しました。

以上、憲法という本来は厳密に守らなければならないはずのものが、
天皇陛下発という抗いがたい力により、一気にぐずぐずになって
しまったことに懸念を抱きます。

現憲法を死守せよとか、改正反対というごとき論ではありません。
ただ、現状存在する法は法であること。ならば、いかにすめろぎと
いえどもお守りにならねば、民草の憲法に対するけじめが
なくなる・・・・・のではないか。

言い方が難しいのですが、天皇陛下のお気持ち発信自体への
批判という以前に、憲法の要塞の一角が権威で崩れる前例を作るなら
憲法の価値観総崩れへと至るのではないか、という懸念の表明です。

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1913

Trending Articles