天皇陛下の「生前退位」、そのお言葉の中身を云々することは
控えますが、やはり発端が憲法違反からスタートしていることに
違和感を覚えます。
その事自体もさることながら、それを憲法違反であると、明快に指摘する
メディアと識者がいない・・・・あるいは僅少であることに
愕然としています。恐さを感じます。薄気味悪さも。
天皇陛下のお声一つで、国民も政府も憲法違反に加担させられてしまう
腑に落ちなさ・・・・
それ以上に、政府と国民が唯々諾々と乗せられる不気味さ。
しかも本来生前退位とは全く関係ないはずの、女系天皇擁立論が
いつの間にかワンセットにくっついて来ている不可解さ。
皇室典範改正に関わることを皇族が発言なさることは、憲法違反なのに、
誰も何も言わない不気味さ・・・・
と、忸怩たる思いを抱えてこの数日間を過ごしていたのですが、やっと
専門家の方、それも名を明らかにしない形でですが、
憲法違反だと明確に語ってくださいました。匿名でしか語れないことにも、
そこはかとない恐怖を感じますが。ここは日本。北朝鮮ではないのに。
以下、転載しておきます。
学者が解説
ht tp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160809-00010010-bjournal-soci
Business Journal 8月9日(火)22時30分配信
8日の天皇陛下による「お気持ち」表明が波紋を呼んでいる。メディアは一斉に天皇陛下が「生前退位」への強いご意向をお示しになられたと報じているが、現行の憲法や皇室典範には生前退位に関する定めはなく、実現のためには新法制定や新たな制度設計が必要となる。
また、天皇陛下は「私が個人として、これまでに考えてきたことを話したいと思います」と前置きをされつつも、こうしたご意向を表明したことについて、「政治への介在」に当たる懸念があるとの指摘も一部の有識者からなされているが、天皇の政治的活動を認めていない憲法との関係について、憲法学者(大学教授)は次のように解説する。
●憲法との整合性
天皇陛下は「お気持ち」のなかで次のように語られました。
「従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました」
「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」
「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」
さらに、憲法で定められた、天皇の行為を代行する「摂政」を置く案を明確に否定されました。以上より、天皇陛下は今回の「お気持ち」表明で「現在の憲法や法律では想定されていない、新しい制度をつくってください」と政治側に要求しているとも受け止められます。
実際に「お気持ち」表明直後、安倍晋三首相は「重く受け止めている」「どのようなことができるのか、しっかりと考えていかなければならない」と語り、政府としてなんらかの対応を行う意向を表明し、与党内でも特別法制定に向けた動きが出てきているとも報じられています。
憲法では天皇の政治的活動は認められていませんが、実質的に天皇陛下のご意向を受けて政治の側が動き始めており、明らかに憲法違反の状態が生まれつつあります。
また、憲法において天皇は「主権の存する日本国民の総意に基づく」存在と定められており、終身在位であることが象徴天皇制を支えているとする説も有識者の間にはあります。つまり、終身在位の否定が象徴天皇制の否定につながりかねないという点も、今後議論を呼ぶでしょう。
いずれにせよ、天皇陛下のご意向を受けて政治の側が動くというのは、現行憲法にはそぐわない状況であるといえます。
《転載ここまで》
事前リークを受けて、陛下のお気持ちの内容をなんとなく把握していた官邸では、「摂政」をお勧めする方向で構えていたようなのですが、お言葉内で明確に摂政を拒否されたので、もし天皇のお気持ちに答えるなら、憲法違反を犯して法改正に踏み切るか、今上陛下一代限りの特例法を出すか、揺れ動いているようです。
特例法はとりあえず、まずいのではないでしょうか。特例という形で作ってしまうと、それは容易に前例となり、今後の皇室に影響を及ぼします。
何度も繰り返していますが、「摂政」という形を取られるなら、法の変更も不必要で、万事円滑、陛下も心ゆくまでお休みになれ、実務は「摂政を恙(つつが)なく出来るお方」がやられればよろしいのです。