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Channel: 井沢満ブログ
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「生前退位」と「反省」について、コメント欄へのお返事

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皆様の、率直な言葉を噛み締めながら拝読しています。

舛添氏を都知事にと投票するような、無定見の愚かしい層が人口の一定割合にいるのは洋の東西を問わずなのですが、正しく十分な知識を持ち、価値観もニュートラルな層はまず、10%から20%。更に10%は、学びさえすればまっとうに物事が見える層だと、数値に根拠はありませんが、思っています。

20%程度の貴重な人たちが、こちらのコメント欄には来てくださっているのだと思います。ありがたいことに思います。

驚くべきはいわゆる知識人。この重大な事柄に対して、口をつぐむか「お気持ち」の過大解釈、論理の捻じ曲げ。普段は私など足元にも及ばぬ頭脳の人たちの、とっちらかり方。・・・・・・新興宗教の教祖を仰ぐ信者の心根と重なって私には見えます。
まず結論ありきなのです。教祖は正しい、偉大だ、間違うわけはない、と、そこを定点に思考を始めるので歪みます。

わたくしは90%の人達が「生前退位」に賛同しているのも、80%の人達が女性天皇に賛成していることにも驚きはしません。上記述べたように、情報を偏らず得つつ柔軟な思考をする人がそれほど多かろうとは思わぬからです。
「生前退位」に賛成の人々も摂政の制度があり、それを用いれば憲法をいじる必要はないことを知れば、もっと多くの人が反対するだろうと思っています。

衆愚という意味で驚きはしませんが、いわゆる知識人と言われる人たちの無言と、「お気持ち」の文脈を取り違え方に、呆然としています。

ただ沈黙もそれなりのメッセージではあるでしょう。
わたくしのような、小さな存在と違って影響力が大きい方たちは、発言に恐いことがつきまとうのも解ります。

そんな中、渡部昇一氏が真っ直ぐな意見を述べていらして、いくらかは息が楽になりました。それでも、念入りに用心の真綿でくるんだ言葉の提示で、なんでこうこの領域に関しては言葉が喉の奥でつかえてしまうのだろう、と思わざるを得ません。

不敬というのは、間違ったことに対してもの申し上げることではなく(昔は忠臣がそれを行っていました)、存在そのものの否定のことをいうと、わたくしは思っています。

天皇陛下は決して間違わない、と前提に置くと北の将軍様になってしまいます。

皇室の弥栄を願えばこその言葉と、皇室そのものの否定論者と分けて考えねばなりません。安易に「不敬」という言葉で口封じすると、不自然な歪みが生じます。

どう善意に解釈しようと、天皇陛下のこのたびの「お気持ち」発言は、畏れながら憲法違反でございます。「生前退位」という言葉を使われてないから違反ではないという解釈をしますが、無理でしょう。全体の文脈が生前退位を指し示し、だからこそ政府が「指示」通りに動き始めています。
「すぐ動くと憲法違反になるから」と、論理破綻の苦しい言い訳をしつつ、しかし天皇陛下のご指示で動くなら、いかに間を空けようと、天皇は国政に関与してはならぬという憲法の条項に違反なさったことに変わりはございません。

奇妙な言い方かもしれませんが、わたくしは天皇陛下の憲法違反を咎め立てしているのではありません。それを言うなら、平和憲法護持などのご発言がすでに違反ですが、ずっと黙って来ました。

・・・・・・今回もきっと思い余ってのやむなきご発言であったのでしょう。だから・・・・咎め立てではなく、違反を違反と認めず、なし崩しにごまかしてしまうような、そんな世の中は先がよろしくないと思うのです。それはそれ、これはこれで曖昧にせず、きちんと見極めておこうと、わたくしはそのように思っております。


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