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底意地悪い女の視線  小池都知事@リオ

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男の嫉妬や意地悪も結構、陰湿ですがしかし女のそれはまた
特有だなあと思うのですが・・・・

謝罪会見の時の高畑淳子さんの靴から、ピアス、衣装、メークの仕方にまで
ネチネチと文句をつけるファッション評論家(女性)とやらに、辟易と
させられたのですが・・・・

リオにおける小池百合子氏の、あの見事だった色留袖3ツ紋にネチネチと
悪口を言っている着付け歴20年とやらの方が、どうにも、いやはや。

h ttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188405

いわく、帯の位置が3センチ高すぎるの、手は左右に下ろさず前に置けの、
フラッグを振る時の足の形が変のと、こまごまこまごま。

初の女知事が、雨の中高価な着物でたじろがず佇んだ姿になぜ、
まず触れない?

メダルにちなんだ金糸の帯も、めでたい鶴の絵柄の色留袖もベンツが一台変えるほどと聞き及びます。
それを雨を受けながら顔色も変えず、すっくと佇んだ心意気を買おうではありませんか、日本人なら。

帰国後感想を聞かれ、高価な着物がびしょ濡れになったことは
一言も口にせず、「風邪を引きました」程度でサラッと流す辺り、
器大きく、終始一貫私は見事であったと思います。

おまけに、高価な着物にバッジまでつけています。
芸術祭の授賞式に着物で参加させてもらった時、ゲスト用のリボンを
ピンで止めねばならず、和服のゲストの事も考えてくれ、と
以前、こちらに書いたことがあります。
私程度の着物でも、リボンの安全ピンを絹に通すのは
はばかられるのに、バッジ!

着物は思うに、着る人の心ばえもあってのことではないでしょうか。

着付け歴20年とやらのお方の腕前のほどを知りませんが、こういう
根性で着物をまとっていても、私は美しいとは思いません。
それに、両手を左右に下ろすのは本来の日本人の流儀で、
おへその前あたりで、気取って手を組むあの所作は朝鮮風ポーズ「コンス」
(もどき)とも言われていて、古来の小笠原流に背く形です。
好きずきだから、手を組むほうが美しいと思われるなら
組めばよろしいと思いますが、ひとさまの日本古来のお作法にのっとった
姿をけなすのは、違いませんか。
皇室で本来の立ち姿、つまりは両の手を左右に垂らした毅然とした
立ち方は華子さまです。比べると解りますが、シナをぐにゃりと
作ったコンスふうより、日本式が毅然として清潔です。
私は知事がコンスもどきで妙な媚びたシナを作らぬのを、好もしく拝見しました。
知事があの場で、着物のモデル立ちをするほうが、違和感がありませんか?
またそうしたらしたで、盛大に「勘違い」とかで叩く連中がいるのでしょう。
コンスふう手の組み方はあれは「見せる」ためのポーズです。
都を代表しで出向いた知事には必要ありません。
頭のいい方なので、振る舞い方ぐらいは心得て計算ずくです。
キャスターをなさっていたのだし。
あのくらいの立ち方で、スポーツの祭典にはちょうどいいのです。
無造作にあの立ち方であったわけではありません。

旗がどのくらいの重さか見当がつきませんが、小池知事はその日のために
ダンベルで腕を鍛えられていた、とか。降りしきる雨の中、顔色も変えず
高価な着物で大きな旗を振られた小池知事を、私は美しいと見ました。

大体着物って、重量のある大旗を振り回すようなことを想定してないじゃないですか。
それを、まぁちまちまごちゃごちゃと着物流儀のお作法から文句を言って。

あそこは全世界の視線が集中する国際舞台なんです。そこで通用するのが
一義です。小池知事が著しく日本の流儀から逸脱なさっていたなら、
ともかく。

ひとぞれぞれの感性なので、あれがいけないと思う人もいるのでしょう。
それは自由です。
ただ、その記事を載せた新聞は日本大事の「保守」が嫌いなのです。
おそらく、悪口を言ってくれる着付け師を選んで喋らせたのだと
思います。記事自体が男の感性ですね。男の意地悪も嫌なものです。

同じ感想でも、元自衛隊員であったという男の呉服屋さんの、手放しの賞賛が
人を思いやり優しく、しかも潔くて私は好きです。

 h ttp://futaya28.jp/2121/

そう・・・・・着付けを20年もやっている方が真に着物への思いがあるなら
遠き異国の地、雨に濡れそぼちながら着物で大旗を振ってくれた
同胞にまず、感謝しませんか? 洋服で済ませば簡単で、楽なのはよく
ご存知でしょうに。

それを何という底意地の悪い言葉の数々、口から蛇や蛙を吐き出しているかのようです。

知事は、着付け師を自前で帯同なさっています。同業者への表立った悪口もいかがなものでしょうか。あまり品のいいこととも思えないのですが?

本来なら、着付け師の費用とその往復滞在費ぐらい都が出してもいいのです。世界の目が集中している場で、東京都の大看板でいらっしゃるのだから。
ヘアメークもつけてよいくらいです。その宣伝効果を考えれば、安いものです。

舛添さんの後遺症のせいで、知事なら当然ファーストクラスであるべきところを、ビジネスで辛抱させられ、着付け師の往復・滞在費用とお礼・・・・
自前である心意気も見てあげたいのです。

あれだけ濡れそぼてば、着物はほどいて洗い張り、帯も仕立て直しでしょう。

我が事を語ることを許して頂けるなら・・・
映画における美意識が愛された鈴木清順監督に随分可愛がって
頂きました。なぜ、私を好いてくれるのか一度伺ったことがあります。
NHKで初めてお目にかかったとき、私は和服だったのです。
外でスタッフと食事を、ということで出たら道はあちこちに
水溜り。

「井沢さん、それ高価な着物でしょう。たくし上げたらどうですか」
と清順先生がおっしゃったのを、私どういうものか(ここが、見せ場だ)と
なんとなく感じたので、「いいんですよ」と裾もからげずこともなげに、水溜りを
バシャバシャ歩いたのでした。
それが、気に入ったというようなことでした。小池知事の壮大なリオの前では
豆粒の心意気ですが、つまりはそういう気風(きっぷ)を大事にしたいのも
着物ではありませんか。

もう35年の付き合いになる薄い蝉の羽のような、しかし丈夫な越後上布の着物に袖を通す時、たまに、清順先生のことを思い出します。
お会いしたいと思いつつ、今は車椅子だと聞き及び・・・・・
美意識の高い先生は、たぶん私が訪れるのを好まないだろうと
控えています。

今は200万だか300万だかに値がはねあがった越後上布の着物に、バッジの
針を突き通し、雨にびっしょりだと、私は内心ひきつります。
表向きは意地で平然としているとは思いますが。
小池都知事のは300万じゃきかないでしょう。あっぱれ、と
私は花丸を差し上げます。

単に価格だけのことではなく、今は織り手も減少の一途にあり、
あれだけの着物を,杼(ひ)や筬(おさ)で織りなす人もいなくなる
一方なのです。息をしている宝物なのです。それを、しとど
雨に打たせて平然と・・・・ってまた、くどくなりそうなので
ここらで、おしまい。

・・・・・・にしようと思ったら、五輪のボート競技のニュースをうっかり
見てしまいました。ちょっと場所を変えれば、安く上がるのになぜか
アスリートにとっても条件の最悪な場所で、めちゃくちゃな予算での
建設計画。ボートをやる人たちからクレームが来ても、「もう決まったことだ
から」。・・・・・・これも、土建利権の臭いがするんですよねぇ・・・・。
3倍に跳ね上がった予算の正体もそれでしょうよ。
閉会式で盛り上がっただけに、現実が立てる饐えた(すえた)臭いが
なおさら、いやらしく感じます。

東京五輪は、こうなったら成功を望みますが、五輪はもう廃絶、
それぞれの競技の単独開催でよいです。余りにも汚れ過ぎました。


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