天皇陛下の「お気持ち」を受けて、安倍内閣が「特措法」を皇室典範に
付加することを検討し始めている、という報道に2つの意味で
困ったものだと、思っています。
天皇陛下が国民の受信料で成り立っている公共放送を「使って」
お気持ち表明をなさり、さらにそれを即受けて政府が動いているとなると、
これは明らかな憲法違反です。
ここでアンビバレンツが生じます。つまり、政府が天皇陛下のご意向に添えば、天皇陛下の憲法ご違反に協力していることになり、しかし無視すれば日本国の
象徴であらせられる方のご意志を無下にして、象徴性を傷つけることになります。
一言で言えば、困った状態です。困った状態を作った根源は何か、
ということが問われるのが先でしょう。
築地市場の豊洲への移転問題と似ています。小池知事がある勢力から叩かれていますが、しかし見当違いです。そもそも現在の混乱を作った人々がいるわけです。
ここで、「なんで摂政を立てるのがいけないの?」という素朴な原点に
立ち戻ります。
摂政を立てるなら、皇室典範で定められている通り皇太子殿下です。
それが、まずいとおっしゃる。なぜか、ということに関しては元宮内庁の
山下晋司氏 氏が答えられており、おそらくそれ以上の納得できる答えはなかろうと思われます。https://dot.asahi.com/wa/2016071900223.html
その上で「特措法」という言葉の欺瞞を言わせて頂きます。
特別措置法というのは、テロ特措法というごとき、《特定の事案に関する対策として特別に制定・施行》されるものです。
今回、生前退位ご希望といわれる「お気持ち」表明のどこに《特定の事案》があるでしょうか?
天皇陛下が老いられた。ついてはご自身がこの世にあるうちに、皇太子殿下を天皇陛下に「昇格」させたいというお気持ちの表明は唐突で特殊ではあっても、事象として特別な状況はありません。つまり、昭和天皇にしろ寝付かれて、実質的なお働きをなさらなくても、民のことを祈りつつ横たわっていらしたわけで、それでも何の問題もなく、天皇陛下は天皇陛下であり、そのご存在を民は胸の内にいつも置いておりました。
言ってみれば天皇陛下の「私的お気持ち」のための特措法でありますが、畏れながら昭和天皇のように、摂政を置かれれば(皇太子殿下がご無理なら、秋篠宮殿下で)何らあちこちに混乱を起こすこともなく、中国船が押し寄せたり北朝鮮が日本海に向けてミサイル発射をしている中、安倍政権に余計な負荷をかけることはないわけです。
任期延長はされる可能性はありますが、それでも長くはない有限の内閣でやるべき課題は憲法改正です。他山積している問題もある中、なにゆえ重荷を背負わせるのでしょう、一体誰が、何の目的で? という視点が必要でしょう。
更にそのための有識者会議の設置が言われていますが、これは非常に問題点ありなのです。野田内閣の時、危うく女性宮家創設(女系天皇擁立の前段階になる)が認められそうになりましたが、それが有識者会議の結論を受けてのことなのです。
ところが・・・・・その有識者会議10名のメンバーが全員「女性宮家創設賛成」の結論を前もって出す人ばかり。もっと、はっきり申し上げれば全員、左翼であり男女同権主義のフェミニズムの方ばかり。そして、座長が小和田家とゆかりの方、もうお一人は皇后陛下の盟友のようなお方でした。
メンバーは本来、賛否半々でなければならないのです、公正な会議を行うためには。
「日本人も外国人も入れる老人ホーム」と謳いあげていながら、その実ほぼ韓国人の老人の方々専用とおぼしきホーム設立に東京都が10億円、補助金を出しています。これも、都の説明によれば「有識者会議の決定により」という回答なのです。
一体、どういうメンバーなのか。そのメンバーのリストを都は公表すべきでしょう。誰を選ぶかで答えは決まるのが有識者会議というものの正体なのです。韓国人老人ホームに都が10億出す結論を出す「メンバーを誰がどういう動機で選んだか」がポイントなのです。
調べたら、猪瀬都知事の時のことですが利害関係、利権を全部都知事が仕切るわけではないので、この場合誰が主導したのか不明です。気骨のある方は都庁に電話して調べてみてください。私は一度電話してくたびれました。憤りで血管がブチ切れそうになるのです。「誰か」がやりたい放題なのです。電話に出てくれた職員は誠実で冷静でした。
有識者委員会のメンバーは、おそらく公開が義務付けられているはずです。
リストを見れば、ああこういう連中か、と納得できるメンツでしょう。
ただ、そのメンバーが正直なことを知らされてない場合もあり単に
「日本人と外国人が共生できるホーム」という美名に賛意を示しただけかもしれません・・・・といちおう擁護しつつ、しかしそれはあり得ないのです。
なぜなら、この私ごときがものの20分調べただけで「?」の連続だったのです、
実体が。それは東京だけでなく他府県でも展開されているホームだったから
調べればすぐ分かることなのです。
話が枝葉にそれましたが、もともと女性宮家創設には反対の安倍総理なので、有識者会議のメンツに偏った人選をなさることはないと思いますが、特措法はいけません。
と言いつつ同情を禁じ得ないのは、他ならぬ「天皇陛下のご意向」つまりは注文なので、無視するわけには行かず、また国民が情報不足・薄弱状態とはいえ、80から90%が生前退位に賛成なので、支持率は大いに政権の存命に関わること、安倍内閣は天皇陛下と実情を把握せぬ世論との板挟みです。
どうにも読めないのは、安倍内閣が時間稼ぎを目論んで特措法のアドバルーンをとりあえず「国民感情対策」で上げたのか、愚直に誠実に天皇陛下のご要望にお答えしようとしているのか。
女性宮家反対、万世一系を守るべきという主張の安倍内閣ではありますが。
それと・・・・・奇妙な思いにとらわれるのは、もしお気持ち表明で内閣を動かそうとなさるなら、公共放送次に民法を軒並み「使って」リークという形を取らずとも、
安倍総理とお会いになって、ご相談という形を取られるという選択肢はなかったのだろうか、ということです。
誰がリークを装った下準備を整え、そこへお言葉を流し無知な世論を煽ったか、考えざるを得ません。加瀬英明氏は明瞭に「天皇のクーデター」であると、私などからしたらはばかって、口に出来ないことをおっしゃってしまわれましたが・・・・しかし、率直に言うなら私は、天皇陛下の陰にもうお一人があり、と見ています。
NHKによるリーク以来、ずっと諸事を観察考えているのですが、どうも今回のリークに始まる計画は譲位を天皇陛下ご存命の内に行うというより、愛子さまを天皇として立てるというほうに力点があるという印象を抱いています。
端的に言えば、生前退位を言えば、そのために皇室典範をいじらねばならず、いじるところめがけて女性天皇の条項を付記させたいのではないか、と。卵が先か鶏が先かの議論となりますが、私は皇太子即位より、狙いは先行してまず、皇室典範改正ありき、だと思っています。時系列で言えば、皇太子即位、そして愛子天皇となるわけですが、放置しておいたらそうはならぬので、画策されたのが今回だ、と見ています。
「Will」誌最新号の河野恵子氏の文章を拝借するなら「婿入りにより皇室を乗っ取ろうとする勢力がいても不思議はない」ということになり、大きな謀(はかりごと)の目的は結局それであろうと、私も実は数年前から考えています。
というのは、女系天皇擁立の動きは近年のことではなく、水面下でずっと動きがあったからです。同じくWillにて、平川祐弘氏(東大名誉教授・比較文学)が「今の皇太子と皇太子妃殿下に、摂政としてあるいは天皇皇后としてのお務めは無理。適応障害なら、それを理由に皇室典範には、適応障害の皇族は臣籍降下の記載を付け加えても良い」
と言われているように、平川氏のみならず有識者の間で実家にお下がり願う廃妃論はずっと言われ続けていて、それと対に廃太子論も根強くあったのです。この度の一連の動きは一石二鳥を・・・・・つまりは皇太子殿下へ有無を言わさず移譲、ということは問答無用に雅子さまが皇后陛下、そしてその次の天皇陛下は愛子さまである、とこういう戦略に出たと、見ています。
皇室典範を「必然として」変えさせ、そこに更に女性天皇の項目を、国連他世論の後押しで入れてしまいたい・・・・・。皇后陛下とお親しいクリントン女史が大統領になれば、そちらからの援軍も加わり強力です。背後の中国とコミンテルンの大きな後押しは無論あるでしょう。
その総合勢力の目的の大小を言うなら、
愛子天皇擁立>皇太子殿下へ移譲
皇室に抜本的変革、はっきり言えば血脈の総入れ替えは、愛子天皇擁立で達成されるからです。皇太子殿下の天皇即位は、潘基文氏や韓昇洙氏の皇太子殿下取り込みの下地がすでにあるので、中韓とりわけ韓国の利用しやすい状況は生じますが抜本的皇室変革にはつながりません。
拙小論の結論を申せば、「特措法」を皇室典範に織り込んでしまっては、「前例」にしかならず、前例は次で踏襲される可能性があるということです。これが悪しき傾向であることは、お解りだと思います。天皇陛下の任意で、まだ存命の間に次代の天皇が決まってしまい、それは世の中に混乱をもたらします。皇位の私物化を招きやすいのです。
■「生前退位」で特措法 皇室典範に付則追加 政府検討、有識者会議は年内見送り産経新聞 9月5日(月)7時55特定の事案に関する対策として特別に制定・施行される。
政府は当初、特措法単体の制定による対応も検討したが、憲法は「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」(2条)と定めていることから、単独では憲法違反になると判断した。
そのため、皇室典範の付則を追加する方法での調整を進めている。この場合、皇室典範の本則部分の改正に当たらないことから、典範改正に慎重な世論にも配慮できるとみている。
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